掛布2軍監督 甲子園で28年ぶり背番31 “凱旋”に1万人沸いた

[ 2016年5月4日 05:30 ]

<神・広>ファンの歓声に右手を上げて応える掛布2軍監督

ウエスタン・リーグ 阪神1―1広島

(5月3日 甲子園)
 掛布フィーバーで聖地が沸いた!阪神の掛布雅之2軍監督(60)が3日、ウエスタン・リーグの広島戦(甲子園)で甲子園初采配。背番号31のユニホーム姿を一目見ようと、記録が残る08年以降、同リーグでは最多となる1万93人が詰めかけた。試合は10回1―1引き分けだった。

 背番号「31」が甲子園に帰ってきた。公式戦で聖地グラウンドに立つのは現役を退いた88年以来、28年ぶり。掛布流の特別歓待も相まり、記録が残る08年以降ではウエスタン・リーグ最多となる1万93人を動員した。甲子園では、田中秀太(現スカウト)の引退試合だった09年9月23日ソフトバンク戦で記録した7054人を大幅に更新した。

 「非常に良い緊張感を持って試合をやらせてもらえた。素晴らしい雰囲気を作ってくれたから緊迫したゲームができた。本当にありがたいです」

 かねて「ファンの目が選手を育てる」が持論。教え子たちに経験を積ませるために体を張って用意した「舞台」だった。試合前には球場入り口前で、指揮官自ら植田、西田と並びファンをお出迎え。自身の特製カードを配布したほか、ファン一人一人と固く握手した。熊本地震の義援金も呼び掛けた。就任から、鳴尾浜球場に長蛇の列ができるなど人気は健在で、この日も入場を待ちわびた1800人が行列をなし、「舞台は整った!」と午前11時半の開門予定を40分繰り上げたほどだった。

 大観衆が見つめた緊張感あるマウンドで、先発の岩崎は8回4安打1失点と結果を示した。「たくさんの人を呼んでくださって、ありがたい」。掛布2軍監督の凱旋試合に黒星を付ける訳にはいかない重圧もあった。貴重な経験を与えてくれた指揮官に感謝を示した。

 育成からはい上がった原口をはじめ、“掛布チルドレン”が1軍の戦力として機能していることがミスタータイガースの育成・指導方針の結果の表れ。「金本監督が旬の選手を引き上げて、すぐ使ってくれるからファーム(の選手)はいつ呼ばれてもいいという気持ちが強くなったんだよ」。控えめにそう言うが、「超変革」の土台は背番号31が支えている。 (湯澤 涼)

 ≪ウエスタン最多≫この日の観衆1万93人は、記録の残る08年以降のウエスタン・リーグでは15年広島の9月5日、中日戦(マツダ)8733人を上回るリーグ最多。甲子園では09年9月23日にソフトバンクの主催で行われた秀太の引退試合での7054人を更新した。なおイースタンでは09年8月6日に巨人が楽天戦(東京ドーム)で記録した2万8004人が08年以降の最多。

 ≪鳴尾浜約22試合分の観衆≫チームが今季ここまで鳴尾浜で行った主催11試合の観衆は、1試合平均456人の合計5011人。この日の甲子園1試合で鳴尾浜約22試合分の観衆を集めたことになる。

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