由伸監督「あれが大きかった」 村田が同点打、ようやくジョンソン攻略

[ 2016年5月4日 10:20 ]

<巨・広>勝利し村田(背番25)らナインを迎える高橋監督(右)

セ・リーグ 巨人3―2広島

(5月3日 東京D)
 天敵をついに攻略!巨人は3日、広島との首位攻防戦で同点の8回2死一塁から4番のギャレット・ジョーンズ内野手(34)が右中間へ決勝の適時二塁打。昨季、通算23イニングで1点も奪えなかった広島先発のクリス・ジョンソン投手(31)に対し、チームとしてファーストストライクを積極的に狙い、少ない好機を生かした。チームは連敗を3で止め、再び首位に浮上。チーム一丸で苦手左腕を倒した1勝の意味は大きい。

 つかの間のお休みはもう、終わりだ。天敵を倒しての首位返り咲き。連敗を3で止めた高橋監督にとっても手応えの1勝だった。

 「首位どうのこうのはまだ、そんな時期じゃない。ただ、負けが続いていたので、流れを変えるにはいいゲームだったんじゃないですかね」

 昨年3度対戦し2敗、23イニング無得点のジョンソンに今季初対決で借りを返した。試合を決めたのは、打率2割台前半に低迷する4番ギャレットだった。2―2の8回2死一塁から初球の直球を捉え、右中間適時二塁打。「ファーストストライクをしっかり打とうと。追い込まれると難しいからね」。ジョンソンは13年パイレーツ時代の同僚で、09年には3Aで対戦経験があった。「記憶はおぼろげだったけど、試合前に映像を見て思い出した」。早出特打ちもこなし、この日2安打目が決勝打となった。

 チームとして攻略の意識を徹底した。ギャレットの言葉通り、1巡目の打者9人中、最初のストライクに手を出したのが6人。積極的に甘い球を狙った。もう一つが、中堅から逆方向への打撃で、6安打中4本。動くボールが武器の左腕に対し、強引にいかないことが功を奏した。

 選手個々も対策を練った。右打者への武器はクロスファイアとなる内角への直球とカットボール。2点を追う4回2死一、三塁から亀井の遊ゴロ失策で通算27イニング目にして初得点すると、なおも一、三塁で村田が1ボールから内角直球を左前に同点打した。「うまく肘を畳んで打てた。いかにコンパクトに打つか」。試合前、打撃投手に内角球ばかりを要求し、ボール球でも極端に左肘を畳んで打ち続けた。詰まったファウルの連続だったが、ここぞの場面でジョンソンからのチーム初適時打となった。

 高橋監督は「あれが大きかったと思う」と村田の一打を称えたが、喜びはぐっとこらえた。「見ていて感じるところはある。でもそれは普通なことなんじゃないですか」。素っ気なく言いながら、昨年とは違う打線の力を感じていた。 (春川 英樹)

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