DeNAが仕掛ける“未来の観戦スタイル” オリジナル360度映像配信

[ 2016年4月8日 10:30 ]

3月、「360ベイスターズ」の会見に出席した(左から)山崎康晃、堤浩幸サムスン電子ジャパンCEO、池田純DeNA球団社長、筒香嘉智

 16年シーズンの開幕とともに、DeNAが新たな取り組みを開始した。Galaxyと協業し、ゴーグル型ヘッドマウンドディスプレイ「Gear VR」を用いた360度の映像コンテンツ提供サービス「360ベイスターズ」の配信を開始したのだ。

 「Gear VR」はスマートフォンの「Galaxy S6/S6edge」と組み合わせて、コードレスで高画質な360度コンテンツが楽しめるゴーグル型ヘッドマウンドディスプレイと呼ばれるもの。この「Gear VR」の導入を通じてDeNAが360度で楽しめる映像コンテンツを提供する。

 現在、実施されているのは「360ベイスターズ」と題した横浜DeNAベイスターズオリジナル映像の配信だ。これらは球団公式HP内の特設サイトにて毎月配信される。現在は第1弾として主砲・筒香の打撃練習を真横から見られるもの、守護神・山崎康のブルペンでの投球練習を打席から見ることができる映像などが配信されている。実際にゴーグルを体験した筒香は「凄い!全部見える。画像もめっちゃきれい。ここに居るみたいっすね」と驚きの表情を浮かべ、山崎康も「自分が投げているボールを近くで見たことない」と興奮の様子だった。

 昨季の横浜スタジアムで満員御礼は球団史上最多の43度を数えた。池田純球団社長は「昨年、大変ありがたいことに多くのお客様にご来場いただき、チケットが取りづらい試合が生まれている。そのような状況の中、新しい観戦スタイルを思案していたところ、Galaxyとの協業による360ベイスターズの企画が実現した」とこれまでの経緯を説明。その上で「未来に向けて野球の新しい楽しみ方をご提供できたら」と話している。その場にいるような映像を「どこでも」「誰でも」「いつでも」見ることができるというシステムは今後の野球観戦のあり方を変えていくだろう。

 360度の映像であれば、試合中に自分が応援している選手だけを追い続けることもできるし、ベンチから試合を観るなど、球場では見ることの出来ない視点での観戦も可能だ。試合映像の配信については「NPBとルール等を確認しなければならない」と現時点は検討の段階というが、実現すれば新たな観戦スタイルが生まれていくことになる。球団創設5周年と最も新しい球団であるDeNAがどんな取り組みを仕掛けてくるのか、注目していきたい。(記者コラム・中村 文香)

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2016年4月8日のニュース