ド軍伝説OB右腕 マエケンのスライダーを絶賛「足し引き自由自在」

[ 2016年4月8日 05:30 ]

<パドレス・ドジャース>6回を5安打無失点で初先発初勝利を挙げた前田
Photo By スポニチ

ナ・リーグ ドジャース7―0パドレス

(4月6日 サンディエゴ)
 名門ドジャースのレジェンドも、前田の加入を歓迎した。88年ワールドシリーズ制覇の立役者となったオーレル・ハーシュハイザー氏は、デビュー戦をテレビ中継の解説者として分析。

 「投球能力は疑いようがない。彼は自由自在に変化球の曲がりを足したり、引いたりできる」と、自身の武器でもあったスライダーを高く評価した。

 強調したのは2回先頭の4番、右打者マイヤーズに対した場面。3球目に外角へ外れるスライダーを空振りさせて追い込んだ。その後、サインに一度首を振ってから曲がりの小さいスライダーを外角いっぱいに決め、見逃し三振を奪った。

 「2ストライク目は大きく曲がった。だから打者はスライダーは外れると思い見逃したが、前田は曲がりを小さくした。12インチ(約30センチ)ではなく2~3インチ(約7センチ)の曲がりにした。野球への理解が深い証拠。投手にとって制球がいかに大事かを再認識させられた」

 同氏は通算204勝を挙げ、88年にはメジャー記録を更新する59イニング連続無失点で「ミスター・ゼロ」と呼ばれた。自身も細身の体形からボールの切れで勝負しただけに、共感するものがあった。

 またキャンプ中に打撃指導したモーリー・ウィルス臨時コーチは、打者・前田に太鼓判を押した。この日は豪快な一発を見舞ったが、現実的に必要とされるのはバントやチーム打撃の能力。通算2134安打、586盗塁の同コーチは「彼なら犠牲バントは確実に決められるし、スクイズのサインもちゅうちょなく出せる」。長くド軍キャンプを指導しており「ロバーツ監督にも私がバントを教えたが、犠牲バントならお世辞じゃなく前田の方がうまい」と断言する。

 豊富な資金力を武器に3年連続地区優勝を果たしているド軍だが、ワールドチャンピオンは88年を最後に遠ざかる。偉大なOBも前田の能力の高さにほれ込み、28年ぶりの世界一を託した。

続きを表示

この記事のフォト

2016年4月8日のニュース