球児1270日ぶり甲子園で鮮やかG斬り 重信バット折った

[ 2016年3月7日 07:06 ]

<神・巨>先発・藤川は4回1失点と好投

オープン戦 阪神6-1巨人

(3月6日 甲子園)
 阪神・藤川球児投手(35)が6日、巨人とのオープン戦に初先発し、1270日ぶりに甲子園に勇姿を見せた。メジャー仕込みのツーシームを効果的に配球するなど4回を3安打1失点。超変革の象徴の一人でもある「先発・球児」が、鮮やかにG斬りを果たした。

 聖地登板の相手は宿敵をおいて他にはない。虎党が待ち臨んだ「火の玉右腕」の甲子園登板。かつての守護神が、伝統の一戦の真っさらなマウンドで躍動した。

 「初回は硬すぎたと思う。上半身だけだった。2回以降は下半身をね。あの(長野に打たれた)タイムリーも現状は問題ないけど、立ち上がりは課題。次に持ち越してやっていきたい」

 初回、先頭の立岡にいきなり中前打を許し次打者・重信の2球目に二盗もされた。1死後、長野に甘く入ったスライダーを中前打され、11球で失点。球場がざわつく中でも、修羅場をくぐってきた男は慌てない。村田に対しては、火の玉を彷彿とさせる140キロ内角高め直球で空振り三振に仕留め後続を断った。

 「ちょっとは(手の内を)見せたかな」と話す先発仕様の新たな引き出しがツーシームだ。大リーグ挑戦した13年に、直球とフォーク主体の守護神時代の投球から変化を求めて習得。2回先頭の岡本の三飛、3回1死から重信のバットをへし折った左飛は、ともに“新球”によるものだった。

 「隠しているわけではないけどね。相手をアレって思わせる投球をしないといけないと思う」

 12年9月13日のヤクルト戦以来、1270日ぶりの聖地マウンド。「甲子園球場に慣れないといけない。久しぶりなので、まだホームとは感じられない」。この日の最速は145キロでかつてのイメージとは違うが、カーブ、スライダー、フォークも織り交ぜ2回以降は巨人打線を寄せ付けなかった。金本監督も「真っすぐはまあまあ良かったように見えたけどね。6~7回投げるつもりでペース配分をしているのか。いろいろ考えて試している段階だと思う」と及第点を与えた。

 次戦は13日日本ハムとのオープン戦(甲子園)を予定。「立ち上がりは課題だけど、執着せず最少失点にしてね。尻上がりに上げていく」。金本阪神の象徴となるべく「先発球児」が、少しずつベールを脱いでいく。(湯澤 涼)

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2016年3月7日のニュース