マエケンもこだわった 広島ドラ2横山 トンボ刺しゅうグラブ使用へ

[ 2016年1月6日 05:30 ]

トンボを刺しゅうしたグラブを披露する横山

 広島ドラフト2位の横山弘樹投手(23=NTT東日本)が5日、都内で自主トレを公開し、「トンボ」を刺しゅうしたグラブをプロでも使用することを明かした。

 「前進あるのみ」という強い意志表明で、ドジャースとの合意が報じられている前田健もかつて採用。魂の継承を決意した。

 愛用するグラブの網目でトンボが揺れた。「前にしか進まないという意味です」。前進のみで後退しないことから「勝ち虫」と呼ばれ、戦国武将が好んでカブトや羽織の柄として使用したように攻撃的な姿勢を貫く考えを強調した。

 長くNTT東日本のエースとして活躍し、14年シーズンを最後に現役引退した黒田信広氏からトンボ刺しゅうのグラブを譲り受けた昨年はチームの大黒柱に成長。目標だったプロ入りを果たし、新調したグラブにも同じ意匠を決めた。以前にトンボ柄のグラブを使っていたこともある前田健は昨季15勝と206回1/3を達成。チームに空いた大きな穴も、期待の新戦力にとっては刺激材料だ。

 「投手陣全員で埋めていく中で、その一員になれれば。競争に混じれるようにやっていきたい」

 宮崎県高千穂町の実家へ帰省した大みそかには昨季最終戦で熱投した前田健のDVDを観賞。元日には全国屈指のパワースポットとして知られる高千穂神社で「大吉」のおみくじも引いた。「これまで支えてくれた方々に恩返しをします」。エース道の前進だけを誓った。 (桜井 克也)

 ▼戦国武将とトンボ 加賀百万石の祖、前田利家はトンボの前立ての兜を所持しており、02年放送の大河ドラマ「利家とまつ」でも登場した。武田信虎、信玄の2代に仕えた板垣信方は、兜の前立てや着物の柄に用いていた。

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