ソフトBの例も…坂井オーナー ラッキーゾーン復活「考えてない」

[ 2016年1月6日 10:40 ]

タイガースへの熱い思いを語る坂井オーナー

 阪神・坂井信也オーナー(67=阪神電鉄会長)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じた。就任1年目となる金本知憲監督(47)への大きな期待を語るとともに、伝統球団としてのあるべき姿や今後の球団運営の展望を明かした。 (取材・構成 森田 尚忠、惟任 貴信)

 ――昨秋に中村GMが急逝。これまで3年間のGM制度の評価は。

 坂井オーナー 評価しています。将来のことを考え、2軍の育成に掛布さんを推薦したり、私も数々のアドバイスをいただきました。ただ、志なかばであったと思います。野球に対してマジメというか、王道を歩む方でした。私は、どちらかというと王道ではなく、少し外れた道に行きそうになるんですが、野球の基本ではこのように考えます、ということを教えてもらいました。

 ――現在のGM不在は一時的なものか。

 坂井オーナー 無理矢理、GM職というものをもうけても、逆にマイナスがある場合があるのかなと思う。また、新しい監督になり、新しいGMということになると、どっちの方向に行くのかな、ということにもなりかねない。当分は(球団本部長の)高野君が継続してやっていく。将来的には、GM職は組織としては要ると思っています。

 ――和田前監督がシニアアドバイザー(SA)就任。SAに期待する働きとは。

 坂井オーナー 前監督が、球団運営や編成などに(退任後)すぐに関わるというのは(フロントと現場)お互いにやりにくいでしょう。私に対するアドバイスに限定して、やってもらおうかと思っています。フロント業務や他チームの体制等も勉強しないといけないし、他のスポーツがどこまで参考になるか分かりませんが、これも勉強したらいいと思う。

 ――15年のソフトバンクはヤフオクドームにホームランテラス席を設置したことで、本塁打数が増えた(13年は45、14年は34、15年は77本)。観客の盛り上がり方にも影響が出たと感じる。甲子園球場にラッキーゾーンを復活させる考えは?

 坂井オーナー 甲子園球場は広い球場という自負もあるし、高校野球のことを考えても、ラッキーゾーンは考えていません。浜風が吹くので「ライトだけでも作ればどうか」という意見も中にはあり、仮にファンの皆さまから「絶対作って欲しい!」みたいな意見が出てきたときに、絶対反対というそこまで頑なではないですが。私はファンの皆さんが望んでおられるとも思わないです。浜風を防ぐように何か大きなボードでも建てましょうか(笑)。それは冗談としても、1度外したものをまた設置するということは考えていません。

 ――甲子園球場に新しい設備をつくる予定は? 

 坂井オーナー リニューアルしてから年数も経ちますので、ファンの皆さんが要望されているものを何か企画しなければいけない、とは思っています。どのような要望があって、何が不満かということを調査していかなければならない。フィールド内部のことよりもお客様にとって快適性にかけるところ、データや情報の不足など、ビジョンみたいなものがいるかどうかというところです。何周年ということを含めて、いろいろ考えてはいます。

 ――ファン開拓の点では異国に目を向けるのも一つで、以前に球団として米国での公式戦開催を検討、断念したことがあった。再検討の可能性は?

 坂井オーナー 一度は頓挫して現在具体的には考えていません。どこかで第1回というのはあるでしょう。アメリカで公式戦をやるというのはいいことだと思う。お客様が来ていただけるか、というのはありますが、ただ、歴史的一歩と考えれば、また別の話ですね。

 ――昨年は球団創設80周年に当たりました。来るべき90、100周年へ向けて未来のタイガース像をどう描いている?

 坂井オーナー プロ野球界の将来の話になるでしょうね。よき伝統を継承しながらずっと最高水準のプレーを見せるような球団であり続けたいと思います。

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