阪神・坂井オーナーが語る 金本新監督を選んだ理由

[ 2016年1月6日 10:30 ]

四藤球団社長(左)と顔を見合わせて笑顔を見せる金本監督
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 阪神・坂井信也オーナー(67=阪神電鉄会長)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じた。就任1年目となる金本知憲監督(47)への大きな期待を語るとともに、伝統球団としてのあるべき姿や今後の球団運営の展望を明かした。 (取材・構成 森田 尚忠、惟任 貴信)

 ――あらためて金本新監督を選んだ理由は。

 坂井オーナー チームを変えないといけない。(例年)シーズン後半の失速などがあり、チーム一丸となり戦う力が要る。彼が一番ふさわしい人物だと思った。

 ――金本監督の考えを聞いて感じるところは。

 坂井オーナー 彼が話していることの中にチームの現状とか、欠点とか、変革すべき点とか、『(僕も)それが言いたい』ということが多い。

 ――金本監督は1年目から勝ちにこだわると言っている。期待することや、数字的なノルマは。

 坂井オーナー 特に何位以上を目指せとかは言っていない。監督として納得できるようにやってもらったらいいと思っている。勝ちにこだわるのは、勝ち負けのスポーツですから当然でしょう。勝ちにこだわりながら、変えていくということもあると思う。勝ちを(視界から)外して、育成ばかりやるわけにもいかないでしょう。最低でも次のシーズンに、ここをこうしたら強くなる、優勝できる、そういう手がかりをつかめるようにしてほしい。

 ――チームは過渡期。再建のため、金本監督体制にどれくらいのスパンを考えているか。

 坂井オーナー (誰もが)納得するような(チームの)形になるのが短期間であったら望ましいことです。ステップアップして、チームは強くなっていくというシーズンを過ごして行くと、次の年も行ける、となってくる。確信が持てるようなシーズンを積み重ねてほしい。

 ――昨年、オーナーと金本監督はスポニチで正月対談。当時から心のどこかで『将来、いつか金本監督に…』という思いもあったのか。

 坂井オーナー その時は監督としてどうだ、という話ではなかったし、正直そうは思わなかった。金本さんに失礼にあたることなら困るけど、偉大なOBの一人の意見として聞く、というお話でしたから。もちろん、その対談がもとになって、現在があるのかもしれません。

 ――では、『金本監督』を意識し始めたのは、どのタイミング。

 坂井オーナー チームがシーズン後半に失速し、一丸となって戦う姿勢があまり感じられなくなり、優勝を逸することになった。チームを一丸にまとめてシーズン後半にも勝負強く勝ちに向かう集団にするためには、金本さんのような熱意のある、戦う姿勢のある人に任せる方がいいのではないかと思っていた。チームの欠点というか、勝負どころで脱落してしまうということを感じることが多くなってきた。チームを変える、体質を変えるためには、どうしようかと。そんな時に金本さんなら熱意と力を持っている人だからと強く意識した。

 ――指導者経験が無い、というのは。

 坂井オーナー そのプラスもマイナスもあるでしょうね。誰もがコーチなどのキャリアパスをしてくるわけではない。彼ならマイナスを超越してできると信じています。リーダーとしての素養、発言力でみんなを振り向かせるとか、そういう力は持っている。(現役時代の)実績と経験が、みんなを納得させる。必要十分で、最も重要な部分はすでに持っている。

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