9回守備から我慢できず…4番内川 男泣き 監督の言葉に救われた

[ 2015年9月18日 05:30 ]

<ソ・西>パ・リーグ連覇を果たし、工藤監督(81)と抱き合って喜ぶ内川

パ・リーグ ソフトバンク5-3西武

(9月17日 ヤフオクD)
 目が潤んだ。グラウンドが、満員のスタンドが涙でにじむ。9回2死。ソフトバンク・内川は左翼の守備位置でもう泣いていた。試合終了。左手のグラブで目を押さえ、号泣しながら歓喜の輪へと走り寄った。長かった。つらかった。ようやく全てが報われた。

 「まだ試合が終わっていなかったし(涙は)我慢しなきゃと思ったけど…。最後までやり通せて正直、安心感があった」。勝てば優勝が決まる一戦。頼れる4番が口火を切った。初回1死一、二塁で先制中前打。苦しかったシーズンの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような快打だった。

 希代の安打製造機も8月は月間打率・174と絶不調に陥った。「主将としてどうすべきか、ずっと考えていた。なかなか答えの出ない時期もあった」。自問自答していた時「お前のチームだと思って、お前のやりたいようにやってくれ」との工藤監督の言葉で吹っ切れた。懸命にバットを振り続けたが今度は体が悲鳴を上げた。左脇腹の張りが肉離れ寸前となり、8月13日オリックス戦(ヤフオクドーム)から7試合連続で先発を外れた。「つらいところを彼1人に背負い込んでもらったところもある」。4番で起用し続けた指揮官にとっても苦渋の決断だった。

 内川は工藤監督、選手会長の松田に続いてナインに胴上げされた。インタビューを受けた指揮官からは「まだまだこれから。キャプテン!クライマックスも日本シリーズもあるんだから、頑張るぞ!」と声をかけられた。現在の打率は・285。右打者史上初の8年連続3割へ、残り16試合。「優勝はうれしいけど、通過点」。主将、そして4番。成すべき仕事は終わったわけではない。

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