藤浪「粘るのが大事」9四球でも12K12勝 荒れ球147球で堅首

[ 2015年9月4日 05:30 ]

<神・広>7表2死二、三塁、田中を三振に仕留めて雄叫びを上げる藤浪

セ・リーグ 阪神5-1広島

(9月3日 甲子園)
 阪神は3日の広島戦に5―1で勝ち、連敗を3で止めて首位を守った。先発の藤浪晋太郎投手(21)は7回を投げ、自己ワーストの9四球と制球を乱しながらも1失点にまとめ、自己最多でリーグトップとなる12勝目。12三振を奪い、シーズン9度目の2桁奪三振は阪神の右投手では1959年の村山実以来の記録となった。

 荒れた。藤浪のボールは怒れる荒馬のように、上下左右へと大暴れした。12奪三振、9四球。1点リードの7回も2四球で2死二、三塁のピンチを招いた。147球目。田中をこん身の152キロ直球で空振り三振に仕留めた。「オッシャー!」。プロ入り後、一番の咆哮(ほうこう)を残してマウンドを降りた。

 「打たれたら(6回に決勝アーチの)福留さんに顔向けできない。チームが勝てて良かった。粘るのが大事だと思った。自分が悪くて負けた…では済まない時期なので」

 初回、いきなり先頭・丸に四球。1死二塁のピンチは連続三振でしのいだ。4回には3四球で満塁とするも、奪ったアウトは全て三振。「感覚が合わなくて苦しい投球になった。いろいろ試したけど…。簡単には直らなかった」。5回にも2四球で1死一、二塁とし、菊池に同点の右前打を浴びた。しかし失点はこれだけ。6回までに121球を投げていたが「何とかもう1回、投げ抜こうと思った」。自己ワーストを5個も更新する9四球。それでも力強い直球で広島打線をねじ伏せた。7回2安打1失点。必死に、懸命に粘り抜いた。

 2桁奪三振シーズン9度は阪神では71年江夏の11度以来、44年ぶり3人目(5度目)。右腕に限れば59年の村山に並ぶタイ記録だ。今季184奪三振で、投球回数は164イニングに。いずれも自己最多を更新し、数字の上でも3年目の進化を証明した。

 和田監督は「ホントによく暴れたね。ほとんど自作自演だけど要所を締めた。1点で抑えて晋太郎らしい」と評した。「無駄な四球が多すぎた。反省して次回以降につなげたい」と藤浪。10年ぶりのリーグVへ、残り試合もエースは恐れることなく腕を振り続ける。

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月4日のニュース