初4番福留「9月は形じゃない」 V19号で“即答”

[ 2015年9月4日 05:30 ]

<神・広>6回1死、福留が右越えに勝ち越しソロ本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神5-1広島

(9月3日 甲子園)
 4番打者にふさわしい大仕事をやってのけても、阪神・福留のコメントは粋だった。

 「チームの4番はゴメス。その中でたまたま調子が悪くて、僕が4番目に座っているだけ。4番の意識で臨んだわけじゃない」

 不振から抜け出せないゴメスに代わり、阪神入団3年目285試合目で座った初の4番。国内では中日時代の07年6月20日オリックス戦(金沢)以来となる大役で、決勝弾をかっ飛ばしたのだから恐れ入る。

 「最初はタイミングが合ってなかった。芯に当たった感触はあったから、あとは飛距離がどうか、と」

 1―1で迎えた6回1死だった。福井が2ボール1ストライクから投じた内角スライダーを完璧に捉えた。右中間スタンドに飛び込む19号ソロ。藤浪が先発した試合では実に8本目となるアシストぶりで、文字通り12勝目をプレゼントした。

 福留の4番抜てきは、和田監督にとっても苦渋の決断だった。今季120試合目。開幕からただ一人、不動だったゴメスの5番降格を、次のように説明した。

 「もう待つ時期じゃない。悪くても機能させていかないといけない。ゴメスが打ち始めて初めて正解になる。早いうちに状態を戻せるように。それまではこの並びになると思う」

 暫定的な措置であることを強調し、この日もノーヒットに終わったゴメスの復調に期待を寄せた。とはいえ、3番マートン、4番福留で全5打点。中長期的な視点では満足いかずとも、連敗を止めたという事実は大きかった。福留が言う。

 「9月は形じゃない。9回終わって勝っていれば良い。それが9月」

 勝負の秋。なりふり構わず、目の前の一戦を取りにいく。 (森田 尚忠)

 ▼阪神・ゴメス(来日2年目で初めて4番を外され、5番で4打数無安打)勝ててよかった。あす(4日)も勝つ。

 ≪中日時代07年6月以来≫福留の先発4番は、国内では中日時代の07年6月20日のオリックス戦(金沢)以来8年ぶり。6回には福井から勝ち越しの19号ソロ。4番弾も前出の試合で7回に本柳から打って以来。08~12年のメジャー時代には4番で7試合に先発しているが、本塁打はなかった。

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2015年9月4日のニュース