打点挙げれば7戦7勝!阪神ルーキー江越 神懸かりV打に同点弾

[ 2015年7月30日 05:30 ]

<中・神>9回1死二塁、江越は適時二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神3-2中日

(7月29日 ナゴヤD)
 阪神・江越大賀外野手(22)が29日、中日戦(ナゴヤドーム)で同点弾に決勝の適時二塁打を放ち、チームを3連勝に導いた。打点を挙げた7試合全勝と不敗神話も継続。後半戦3カード連続勝ち越しを決め、ヤクルトとともに首位堅守。31日からのヤクルト3連戦(甲子園)に弾みを付けた。

 重圧のかかるシーンで結果を残せる新人はいったいどれほどいるだろうか。1点を争う大事な局面で、江越が底知れない勝負強さを発揮した。

 「前の打席では真っすぐを打っていたので、今度は変化球を狙っていこうと思った」

 考えは実にシンプルそのもの。それだけに迷いは一切ない。2―2で迎えた9回1死二塁で回ってくると、狙い通りに又吉の初球スライダーを強振。左中間へ伸びた打球は前進守備の中日外野陣の頭上をはるかに越える勝ち越し適時二塁打となった。「ちょっと(バットの)先だったんですけど、外野が前に出ていたので越えてくれました」と白い歯がこぼれた。

 活躍の予兆は確かにあった。2回の第1打席は中飛も打球そのものはフェンスぎりぎりまで飛んだ。十分に可能性を感じさせる内容を見せると、1点ビハインドの7回に田島の初球真っすぐを虎党が待つ左翼席へ4号ソロを運んだ。「嬉しかったです。(ダイヤモンドを)気持ちよく回りました」。同点弾にV打。まさに独壇場だった。

 直球と変化球の打ち分け―。ファーム時から抱えていた課題を克服するためにコツコツと努力を重ねている。この日の試合前練習でも、その一端が見受けられた。トスバッティングでトスを上げるオマリー打撃コーチ補佐から「真っすぐ!」、「チェンジアップ!」と声が上がる。すると前者ではスイングし、後者ではハーフスイングでバットを止めた。その真意を「変化球はボールの意味。アウトコースのところにボールを落としている。振ったらダメね。彼は外角の変化球の見極めと、その判断を磨かないといけない」と同補佐は説明した。

 そうした積み重ねの成果を実戦で出せつつある。2打席とも初球を打ったが「そういうスタイルなので」と淡々とふり返った。ボールの見極めができるからこそ、どの打席でも恐れることなく初球からバットを振れている。課題克服の証明として意味ある2つの快音だった。

 和田監督からも「ストライクゾーンを前に飛ばす確率が高い。凡打の内容も良いよね」と評価を受ける一方で「まだまだこれからです」と、さらに先を見据える。きらめく新星は大きな自信と手応えを両手に握りしめ、甲子園に戻る。 (久林 幸平)

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