新人史上2人目!ロッテドラ1中村 プロ1号が初回先頭打者V弾

[ 2015年5月1日 05:30 ]

<ロ・西>初回無死、プロ1号となる本塁打を放った中村(右)はナインの出迎えに笑顔

パ・リーグ ロッテ3-2西武

(4月30日 QVC)
 ド派手な1番デビューだった。ロッテのドラフト1位・中村は初回、ルブランの外角高め直球をフルスイング。打球が右翼席ポール際に飛び込むと、本拠地QVCマリンのスタンドがどよめいた。プロ初本塁打が初回先頭打者本塁打。新人では球団初の快挙となり、そのまま決勝弾となった。

 「フライかと思ったけど、もしかしたらと。先頭打者本塁打は(アマ時代を含めて)公式戦では初めて。素直にうれしい」。ここ3試合1桁安打で計5得点。伊東監督は打撃不振の今江を外して中村を三塁で起用し、初めて1番に抜てきした。1番は中村にとって、早大1年時から任された「定位置」。いきなり最高の結果で期待に応えた。

 走攻守三拍子そろった22歳。50メートル6秒0の俊足と、初球から強振する積極性が持ち味だ。粗削りな一面もあり、7回の打席は直球を3球続けて空振りするなど、本塁打の後は3打席3三振。8回2死一、二塁の好機で代打を送られた。「何でも手を出すのは良くない」と反省を繰り返したが、伊東監督は「今のチームに足りないのは積極的に振る姿勢。スタイルを貫いてくれた」と満足げだ。打線の起爆剤としての役割は十分に果たした。

 前日プロ初登板した田中が3回5失点で敗戦投手となった。京大初のプロ野球選手として注目を浴びる右腕とは同学年。1軍にいる新人は2人だけということもあり、中村は「1軍に上がってきて刺激になった」と言い、田中に「お互い頑張ろう」と声を掛けた。ドラフト2位は打ち込まれたが4試合ぶりにスタメン出場したドラフト1位が敵討ちをした。

 初めて上がったお立ち台。本拠地の大歓声を浴びると、無口な22歳は照れながら「最高です」と白い歯を見せた。スタンドでは父・優仁さん(51)と母・敦子さん(52)が見守っていた。「ホームランボールは両親に贈りたい」。チームは6カードぶりの勝ち越し。粗削りなドラフト1位が、勢いに乗れないチームを押し上げる。

 ▼中村の父・優仁さん(スタンドで観戦)右翼ポール際は打球が伸びると聞いていたけど入るとは思わなかった。びっくりです。あの本塁打でいい流れになると思った。ただ、あとの3打席がよろしくないですね。

 ≪新人史上2人目≫ルーキーの中村(ロ)が初回先頭でプロ初本塁打。新人のプロ1号が初回先頭打者本塁打は98年坪井(神)以来プロ野球9人目で、ロッテでは初めて。そのまま決勝弾となったのは48年原田(中)以来67年ぶり2人目だ。なお、ロッテ で新人の初回先頭打者弾は86年古川以来5人目、プロ1号が初回先頭打者は54年橋本以来3人目。

 ◆中村 奨吾(なかむら・しょうご)1992年(平4)5月28日、兵庫県生まれの22歳。天理では2年夏から3季連続で甲子園に出場し、通算打率.429。早大では通算11本塁打でベストナインを3度獲得。4年時には主将を務め、ハーレム国際大会では4番として日本代表の準優勝に貢献した。14年ドラフト1位でロッテに入団。1メートル80、79キロ。右投げ右打ち。

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