“気配りの4番”内川 逆転V打もヒーローにプロ初安打塚田指名

[ 2015年4月15日 05:30 ]

<オ・ソ>8回2死満塁、内川が逆転の2点適時打を放つ

パ・リーグ ソフトバンク4-2オリックス

(4月14日 京セラD)
 これぞ4番だ。最近5試合で無得点が4度と打線が不振だったソフトバンクは14日、0―1の8回に内川聖一外野手(32)が決勝の適時二塁打を放ち、オリックスに逆転勝ち。貯金を1とした。また、9回に代打で出場した4年目の塚田正義外野手(25)が、プロ初安打が初本塁打という離れ業を演じた。チームは15日に今季2度目の連勝を狙う。

 やはり、窮地を救ったのはこの男だった。4番と主将の重責を背負う内川が決めた。0―1の8回2死満塁。ど真ん中に来た西の失投を逃さなかった。火の出るような当たりは中前へ抜ける逆転2点適時打。送球がそれる間に3点目も入り、勝敗は決した。二塁ベース上でのガッツポーズが頼もしかった。

 「なかなか点の取れない状況が続いていたのでみんなのために打ちたいと思った。僕が打ちましたけど、打たせてもらったような感じです」

 直近5試合で無得点が4度。この夜も7回までわずか3安打に封じられた。この日でリーグ2位の12打点とした背番号1だが、他のナインと同様に悩んでいた。今季から4番を任されているが「走者がいなくてフリーの時には長打を目指してしまう」。力むあまり、リーグワーストの6併殺打。昨季の5を早くも超えた。だが、8回の満塁機は「きょうは逆に振らなくていい場面」と楽な気持ちで臨んだ。自分だけじゃない。周りにはチャンスを作ってくれる仲間がいる。だから、ヒーローインタビューではプロ初安打初本塁打の塚田を「(初安打は)一生に一度」と呼びよせた。そのキャプテンの心意気に笑顔の花が咲いた。

 副キャプテンを務める本多が右足首捻挫で出場選手登録を抹消された13日、チームの責任を一手に背負うことになった男は、2歳の長女とつかの間の休息を満喫していた。「雨でどこにも行くところがなかったから」とヤフオクドームの人工芝の上でボール遊びに興じた。3日の西武戦(西武プリンス)から18日間も本拠地を離れる「死のロード」だが、つかの間の「休息」で苦境を乗り切るための充電を完了させた。

 再び、貯金1。「一つ勝つことの難しさを、あらためてみんなが感じてくれている。ナイスゲーム!」と工藤監督。主将のバットから生まれた逆転劇は、停滞するチームに力強い息吹を吹き込んだ。

 ▼ソフトバンク・大隣(7回3安打1失点で2勝目)粘り強く流れをつくっていけた。

 ▼ソフトバンク・塚田(9回1死、4年目でプロ初安打が代打本塁打)結果が出てよかった。僕は一打席一打席必死にやるだけ。

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2015年4月15日のニュース