“サヨナラの竜”球団タイ月間4度目 プロ野球最多は阪急の6度

[ 2015年4月15日 06:10 ]

<中・神>9回1死一、二塁、代打・ナニータ(中央)はサヨナラ打を放ち、ナインから手荒い祝福を受ける

セ・リーグ 中日3-2阪神

(4月14日 ナゴヤD)
 サヨナラの竜だ。この日の主役は新外国人ナニータだった。同点の9回1死一、二塁から代打で登場すると、松田の投じた144キロ直球を完璧に捉えた。打球は左中間に飛んだ。歓喜のホームを踏むと、一斉にナインが襲いかかってきた。

 「バッターとして最高の瞬間だよ。(松田は)速球投手なので最短距離でバットを出した。うれしすぎるよ」。阪神の先発が左腕・岩田だったため、左打者のナニータは先発から外れた。終盤の一振りに懸けていた。9回1死二塁から代打の切り札・小笠原が敬遠気味に歩かされ、出番が巡ってきた。そして同じドミニカ共和国出身のルナに続く2試合連続のサヨナラ打だ。エルナンデスも今季既に記録。「僕も打ちたかった」と奮い立った思いを一打に込めた。

 新外国人獲得のため、森ヘッドコーチが昨オフ、ドミニカ共和国のウインターリーグを視察したのは10度目。選手を選ぶにあたって「こちらの言うことに聞く耳はあるか。練習熱心か」を基準にする。お眼鏡にかなったのがナニータ。試合に出ない時でも相手投手の研究を欠かさない姿勢がサヨナラ打につながった。慣れない異国で苦手な日本食もあるが、アナ夫人の手料理で力を蓄え、5歳の長男、2歳の長女が心の支えとなっている。

 4月は早くも4度目のサヨナラ勝ち。月間の球団記録タイとなり、谷繁兼任監督は「何度やってもサヨナラはいいね」と頬を緩めた。3年ぶりのリーグ10勝一番乗りで単独首位にも立った。その原動力のドミニカントリオについて、指揮官はドミニカの「D」を取って「3Dとかって言われているんでしょ。いいんじゃないですか」とお墨付きを与えた。今月は14試合も残っている。球団新の月間5度目となるサヨナラのヒーローは誰だ。

 ▼中日・福谷(9回を3人で片づけ、今季初勝利)球数を(7球と)少なく終わらせて一番いい投球だった。

 ≪球団タイ記録≫中日が12日DeNA戦に続きサヨナラ勝ち。チーム2試合連続サヨナラ勝ちは11年6月4日西武戦、5日ロッテ戦でいずれも平田がサヨナラ本塁打を放って以来。これで今月の中日は3、5日広島戦と合わせサヨナラ勝利が4度目。月間4度のサヨナラ勝ちは67年9月、74年6月、88年8月、02年8月、09年5月にマークしたのと並ぶ6度目の球団タイ記録になった。なお、月間最多のサヨナラ勝ちは55年7月阪急の6度。セでは68年7月巨人、93年5月ヤクルトの5度。

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