勝利投手まであと1人…能見“魔の5回”逆転許しチーム連勝止まる

[ 2015年4月1日 07:35 ]

<ヤ・神>5回2死二、三塁、畠山(左)に逆転の2点適時二塁打を浴びる能見

セ・リーグ 阪神3-4ヤクルト

(3月31日 神宮)
 「粘り強く投げ切れませんでした」-。降板後、球団広報を通じて出したコメントに、阪神・能見の悔しさが凝縮されていた。今季初登板のマウンドは苦いものとなった。

 「四球が絡んだからね。それで(打線が)つながったから」

 2点リードで迎えた5回に試練が待っていた。1死から山田に右中間突破の二塁打で出塁を許すと、2死三塁となって迎えたのは、プレーボール直前に右肩違和感を訴えたミレッジに代わって緊急出場した田中浩。前の2打席はきっちり抑え込んでいた相手に、追い込みながら、痛恨の四球を献上してしまった。

 一、三塁となって、雄平には三塁・西岡の頭上を絶妙に越される適時二塁打を浴びて1点差。さらに二、三塁から畠山には初球直球を中越えへ運ばれ、2点適時二塁打で瞬く間に逆転された。

 「良い緊張感で入れた」と初回は3者凡退でスタートし、4回まで走者を背負いながら、雄平のソロ1本に抑えていた。昨年、序盤に失点すると、ズルズルと追加点を与えるケースが多かったことから今季掲げたテーマは「粘り強く投げる」。その言葉を体現し、白星に向かってまい進していたが、あと1人で勝利投手の権利というところで暗転してしまった。

 中西投手コーチは「雄平1人にやられたな。まともにいきすぎ。ボールを振るバッターなんだから」とバッテリーに注文を付けた。5回までの3打席で3長打された雄平には、全打席で追い込む前に捉えられた。

 “初陣”をなかなか飾れない。過去3度、開幕投手を務めた左腕も、シーズン初登板での白星は11年4月12日の広島戦までさかのぼってしまう。9勝13敗に終わった昨年から巻き返しを期す今季はキャンプから徹底的に走り込み、体をいじめ抜いてきた。不完全燃焼での黒星スタートとなったが、次こそ、快投で完全復活ののろしを上げて見せる。

 ▼阪神・梅野(能見が雄平に痛打を浴び続け、捕手として反省)何でも振ってくるバッターなんで。高さをもっと気を付けないといけなかった。

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