中日・福田大暴れ3安打 好打者ゆえの“遠回り”9年目開花

[ 2015年4月1日 05:30 ]

<中・巨>2回無死、福田(左)は左越え2号ソロを放ち、亀沢と笑顔でエルボータッチ

セ・リーグ 中日5-3巨人

(3月31日 ナゴヤD)
 開幕3連敗中のチームを救う「福の神」だ。プロ9年目で初めてお立ち台に上がった中日・福田は「気合だけは負けないようにした。前の日から緊張して、どうなるかと…。気合だけ入れて打席に立った」と、何度も「気合」を繰り返した。

 主砲・森野が右親指を骨折したことで、代役でチャンスが巡ってきた。「5番・一塁」で、昨年4月3日の阪神戦(京セラドーム)以来の先発出場。そしてワンマンショーを演じた。まずは2回だ。杉内の直球を豪快なスイングで振り抜く。左翼への先制ソロ。3月29日の阪神戦(同)の7回に放った代打3ランに続く「2打席連続」弾だ。6回無死一、二塁では右前適時打。同点とされた直後の8回は1死一塁で左翼フェンス最上部を直撃する二塁打を放ち、自身初の猛打賞。小笠原の決勝打につなげた。

 「今は自分の打撃に集中できている」。26歳。ここまで波瀾(はらん)万丈の野球人生を歩んできた。横浜高では捕手として涌井(ロッテ)とバッテリーを組み、1年夏から甲子園に出場。主将だった06年春のセンバツは、決勝で清峰(長崎)を21―0で下す記録的スコアで優勝した。09年7月7日のヤクルト戦(神宮)では史上49人目の初打席初本塁打。しかし自慢の打力を生かすために、守備位置は捕手から内野手、捕手、そして再び内野手…と転々。1軍に定着できない苦難の道のりが続いた。

 そんな中で今年はオープン戦で打率・483、4本塁打、12球団トップの13打点と結果を残し、開幕1軍メンバーに滑り込んだ。「声援に応えられて気持ち良かった。気合でいきました」。昨年11月3日には、優花夫人(27)と結婚したばかり。背負うものが増えた男は強かった。田中(ヤンキース)、斎藤(日本ハム)らと同じ1988年生まれ。背番号55を背負う遅れてきた大砲が、大器晩成とばかりに大きな花を咲かせようとしている。

 ◆福田 永将(ふくだ・のぶまさ)1988年(昭63)7月23日、神奈川県横浜市生まれの26歳。横浜高では04年夏、06年春夏の3度、甲子園に出場。06年春のセンバツでは全国制覇を果たした。06年高校生ドラフト3巡目で中日に入団。昨季までの1軍成績は107試合で打率.200、4本塁打、5打点、0盗塁。今季の年俸は650万円。1メートル81、80キロ、右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2015年4月1日のニュース