阪神ドラ3江越“天敵”大隣討ち弾 鳥谷以来球団11年ぶりOP戦新人本塁打

[ 2015年3月4日 05:30 ]

<神・ソ>2回無死一塁、江越は先制2ランを放ちトラッキー(右)と笑顔でハイタッチ

オープン戦 阪神5-3ソフトバンク

(3月3日 丸亀)
 こけら落としとなった四国Cスタ丸亀の記念すべき1号本塁打は、ルーキーのバットから生まれた。2回無死一塁。ドラフト3位の江越(駒大)は、内角低めのスライダーに対し、讃岐うどんのような「こし」の強さで下半身で粘り、バットを振り抜いた。打球は中堅122メートルのフェンスを軽々と越え、バックスクリーン左に突き刺さった。

 「スライダーです。真っすぐを狙っていたところで体が反応しました」

 打った相手はソフトバンクの大隣。阪神ファンにとっては、忘れもしない昨年の日本シリーズ第3戦(ヤフオクドーム)で、7回を3安打無得点に抑えられた天敵を見事に攻略してみせた。

 阪神の新人がオープン戦で本塁打するのは04年の鳥谷以来、実に11年ぶり。復調をアピールする一発でもあった。初めてのキャンプを終え、自信を得たが、同時に疲労も蓄積した。そのためかフォームを崩し、左肩が内に入り過ぎ、ポイントが近くなった。2月28日のオリックス戦(安芸)では4打数無安打で2三振。本来のフォームを見失い、打球が右方向にしか飛ばなくなっていた。

 翌1日には、和田監督と掛布GM付育成&打撃コーディネーター(DC)からメスが入り、2日にも指揮官からマンツーマン指導を受けた。入り過ぎていた左肩が改善され、本来のポイントを取り戻したことでバットのヘッドが走るようになった。「下を使わないと、入らなかったと思います」と手応えをつかんだ。

 指揮官も納得の表情を浮かべた。「あそこ(内角低め)は空振りかゴロになっていた。上に上げられる下半身の形ができていた」と評価。江越は4回にも右犠飛を放って3打点を挙げ、横田、梅野の2年目コンビも活躍してのソフトバンク戦勝利に「若手に向かっていく姿勢があった。名前のある投手から打ったことは自信につなげてほしい」と目を細めた。

 地元の有名店「麺処(めんどころ) 綿谷」から本塁打賞として、うどん50人前を贈られた江越。「これからも教わったことを継続してやっていきたい。しっかりと下を使って打つ」。まさに粘り腰で開幕1軍も勝ち取る。

 ▽昨年のソフトバンクとの日本シリーズ 阪神は10月25日の第1戦(甲子園)で先発・メッセンジャーの好投もあり、6―2で勝利。しかし第2戦はソフトバンク先発・武田に6回2死までパーフェクトに抑え込まれ、1点差で惜敗。28日の第3戦(ヤフオクドーム)では、大隣の前に7回までわずか3安打で6三振を喫して無得点に封じられた。第4、5戦も打線が不発。第5戦は0―1で零敗に終わるなど5試合で2桁安打は一度もなく、先勝しながら4連敗で日本一を逃した。

 ≪35年ぶり≫江越(神)がオープン戦1号。阪神の新人のオープン戦本塁打は、04年3月6日オリックス戦の鳥谷以来だ。また、この日はルーキーの石崎が白星。オープン戦同一試合で新人の投手と野手が勝利&本塁打は、昨年3月23日ヤクルト戦でロッテの吉原と井上が記録して以来。阪神では80年2月24日大洋戦で藤原が勝ち岡田が一発を放って以来35年ぶりとなった。

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