工藤流で投手王国を!ソフト孫オーナー、V2へ“早くも指示”

[ 2014年11月25日 05:30 ]

プロ野球日本一となり福岡市の繁華街・天神をパレードする、ソフトバンクの選手と集まった大勢のファン

 ソフトバンクの孫正義オーナー(57)は24日、福岡市中心部・明治通りで行われた優勝祝賀パレードに参加し、日本一連覇へ向けて、近日中の工藤公康新監督(51)との直接会談を熱望した。現役時代の実績を生かした投手陣の整備を要望する考えだ。パレードにはソフトバンクとしては過去最多の35万人(主催者発表)が詰めかけた。来季も同じ喜びを味わうために、同オーナーは「投手王国」の再建を全面的にバックアップする。

 孫オーナーはオープンカーに乗り、笑顔で沿道に手を振った。同時に頭に描いていたのは日本一連覇への青写真だ。工藤新監督との面談の可能性を問われると、隣にいた後藤球団社長にすかさず指示を飛ばす。「できるだけ早くね」。孫オーナーはもちろん、工藤新監督も筑波大大学院の授業や講演会と多忙を極めるが「孫のひと声」で12月の上旬にトップ会談を行うことが内定した。

 「会ってお話ししたい。秋山監督のつくったチームを引き継いで、頑張ってもらいたい。投手王国をつくってほしい。素晴らしい実績のある投手だったわけですから」と孫オーナー。秋山監督は現役時代の自身のプレースタイルのように1番・柳田に象徴される走力、打力のそろった強力打線をつくり上げた。打撃面は12球団の中で屈指と言える。

 さらに投手陣を整備すれば、その強さは盤石になる。現役時代に224勝を挙げた工藤新監督に託すのは、先発投手陣が強固な「投手王国」の再建だ。昨季のチーム完投数7はパ・リーグ最低だった。右肩筋疲労など規定投球回数に達しなかったエース摂津を脅かすような若手の発掘に期待している。直接、会うことでより具体的に投手陣の再建策を話し合うつもりだ。

 パレード終了後、秋山前監督、王貞治会長との昼食をともにした。ここでも孫オーナーは前指揮官に日本一連覇への鍵をたずねた。「先発は故障もある。どれだけいても足りません」と助言をもらった。メッツからFAになった松坂とは入団へ基本合意に達した。発表前ということもあり「それはこちら(後藤社長)に聞いてください」とはぐらかしたが、秋山前監督の忠言を生かす準備は万全だ。その行動力が、世界に誇る敏腕経営者と呼ばれるゆえんだ。

 祝賀パレードでは、沿道を埋め尽くした35万人のファンから歓声を受けた。「秋山監督には最高の花道でした。(退任を)惜しむ声も多く聞こえました。素晴らしいシーズンだった。また、来年もできるようにね」と孫オーナー。この至福の瞬間を来季の工藤ホークスでも味わうことを約束していた。 

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