「一塁・阿部」新打法…プイグ式上半身+ステップ式下半身

[ 2014年11月25日 05:30 ]

バットを寝かせて揺らす阿部のフォーム(左)とプイグの静止フォーム

 巨人・阿部慎之助内野手(35)が24日、来季の新打撃フォーム構想を明かした。上半身のモデルは、先日行われた日米野球に大リーグ選抜として来日したドジャースの強打者ヤシエル・プイグ外野手(23)。下半身は両足でステップを踏みながらタイミングを計る数年前に自身が好調時に実践していた動きを取り入れる。捕手から一塁手へコンバートされ、これまで以上に打撃への期待がかかる来季。モデルチェンジで日本一奪回の主役を担う。

 阿部が巻き返しへ、大きなイメージを膨らませていた。コンバート元年。打者としての比重がかかる来季の新フォームは頭の中で固まった。

 「プイグみたいにいこうかなって。上半身を固めておいて、彼はそのまま振りだせるけど、僕は足でタイミングを取っておいて、って」

 この日は、福井市内で2年連続の野球教室を開催。48人の野球少年を前に約1時間30分、キャッチボール、打撃を丁寧に指導した。「教えることで勉強になることはたくさんある」と大汗をかきつつ、来季の自身の打撃についてもあらためて確認した。

(1)上半身は今季ドジャースで活躍したプイグ式

(2)下半身は好調を維持した経験のあるステップ式に修正

 「構えて止まっておいてパッと振りだす感じ」が上半身のイメージだ。近年、阿部は構えた際にバットを揺らすようにして投球を待った。だが、今季は打率はセ・リーグの規定打席到達打者で最下位の打率・248にとどまり、打点57、本塁打19と不本意なまま終わった。実は阪神とのCSファイナルSで上半身を静止させるフォームを試したところ好感触。そのひらめきが、日米野球を通じて「確信」になったという。

 阿部は12日から行われた日米野球5戦のうち、テレビ中継のゲスト解説などで3試合を生で観戦した。そこで目に留まったのがプイグだった。左右は違えど、上半身の動きを最小限にスイングに入るイメージが阿部の理想と合致した。

 岩隈(マリナーズ)に誘われ大リーグ選抜のロッカールームにも入り、あらためて体格の違いを痛感。「日本人は大きくタイミングを取ってスイングしないと、やっぱりボールは飛ばない」。近年は初めから重心を左足にかけておいて右足を上げてステップするフォームだったが、修正する。まず右足に一度、体重をかけてから左足に体重移動して右足を上げ、ステップを踏む形にする。

 すでに改良に取り組み、前日ファンフェスタで行われた本塁打競争でも実践した。

 「来年はファーストになるから、一生懸命、打って勝つように頑張る」

 子供たちの前で誓った目標を達成するために、新フォームを熟成させる。  

 ◆ヤシエル・プイグ 1990年12月7日、キューバ生まれの23歳。12年に亡命に成功してドジャースと7年総額4200万ドル(約49億5600万円)で契約。13年6月にメジャーデビューし、104試合の出場ながら打率・319、19本塁打、42打点を記録して新人王投票で2位に入った。今季は球宴に初選出され、地区優勝に貢献。メジャー通算2年間で252試合、打率・305、35本塁打、111打点、22盗塁。1メートル91、107キロ。右投げ右打ち。

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