和田監督 猛抗議も…守備妨害で終戦はシリーズ388戦目で初

[ 2014年10月31日 05:30 ]

<ソ・神>9回1死満塁、西岡はファウルラインの内側を走ったとして守備妨害をとられる

日本シリーズ第5戦 阪神0-1ソフトバンク

(10月30日 ヤフオクD)
 今シリーズを象徴する拙攻で、あっけない幕切れとなった。阪神は0―1で迎えた9回、サファテの乱調で1死満塁の絶好機を築いたが、西岡の一ゴロで本塁封殺。一塁送球が西岡の左手に当たって明石がそらし、同点の走者が生還したかと思われたが、西岡がラインの内側を走って送球を邪魔したとみなされ、守備妨害でアウトになった。

 「左打者は打ったら(ラインの)内側に入るから。故意でできるわけがない」。そう弁明した西岡だが「ファン、球団、チームメートに申し訳ない、では済まされない。自分を責めたい」と続けた。和田監督はソフトバンクのナインが歓喜する中で審判に抗議したが、判定は覆らなかった。

 「もう一度甲子園に帰りたかったけど、ソフトバンクは強かった」。指揮官は肩を落とした。初戦勝利後に4連敗。その4試合の得点は1、1、2、そして0である。第2戦以降に陥った貧打を立て直せず、29年ぶりの日本一は夢と消えた。

 この日は1番にマートン、西岡を6番で起用するなど打線を組み替えたが、摂津を打ちあぐねた。第2戦でてこずった武田と同じカーブで手玉に取られ、6回まで4安打と低調だった。「縦のカーブ。武田もそうだし、それに狂わされた」と和田監督。3回にはマートン、上本と2度の盗塁死で好機をつぶした。終盤は継投策にかわされた。

 3連覇した巨人に4連勝するなど、2位からCSを無敗で勝ち上がり、今シリーズも快勝でスタート。だが、2戦目に勢いを止められてから、盛り返す底力がなかった。日本シリーズの敵地で9連敗。85年の日本一の後、シリーズに出場した03年、05年、そして今回も内弁慶を克服できなかった。「敗れはしたが、一つの殻は破れたと思う」と和田監督。この悔しさを糧に来季に向かう。

 ▼白井球審 両足とも(ラインの)内側を走っていた。片足でも駄目。明らかに守備を邪魔しようとしていた。

 ≪走り出す際はいいけど…≫「野球規則6・05(k)」には「本塁一塁間の後半を走るに際して、打者がスリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、一塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判が認めた場合、打者はアウトになる」とある。走りだす際にファウルラインの内側を走ってもいいが、後半の走路でも西岡は内側を走っていたと判定され、守備妨害となった。

 ≪シリーズ通算388試合目で初めて≫シリーズ最終戦はソフトバンクが9回表、西岡(神)を一塁併殺打に打ち取り試合終了。日本一を決めた試合に併殺打でゲームセットは80年広島が近鉄第7戦で9回表、石山を三塁併殺打(○8―3)、98年横浜が西武第6戦で9回表、金村を二塁併殺打(○2―1)に打ち取って以来16年ぶり3度目。この日は打者走者の西岡がファウルラインの内側を走り、捕手の送球を妨害。記録上は併殺打となったが、妨害行為が絡んで試合が終了したのはシリーズ通算388試合目で初めてだ。

 ≪シリーズワースト敵地10連敗にあと1≫阪神が1勝4敗で敗退。前回出場の05年(対ロッテ)は0勝4敗に終わっており2シリーズ連続の1勝以下になった。出場2連続1勝以下は
ロッテ60年0勝70年1勝
阪 急71年1勝72年1勝
中 日88年1勝99年1勝
 に次ぎ4チーム目。うち、合計1勝は60、70年ロッテ(60年は大毎)と並ぶ最少タイだ。また、03年第1戦から続く敵地連敗は9となり、西武が持つシリーズワーストの10連敗にあと1となった。

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