ジ軍 鉄腕バムガーナーで世界一!大車輪MVPに「疲れた」

[ 2014年10月31日 05:30 ]

世界一に輝き喜ぶバムガーナ(右)とポージー(AP)

ワールドシリーズ第7戦 ジャイアンツ3―2ロイヤルズ

(10月29日 カンザスシティー)
 冷静沈着な25歳が初めて笑顔を見せた。1点リードの9回2死からゴードンの中前打を中堅手が後逸し、打者走者は一気に三塁へ。バムガーナーはここで今シリーズ唯一の打点を許しているペレスを迎えた。「大きいのを狙っている。そこを利用して高めに投げた」と内角高め93マイル(約150キロ)で三邪飛に仕留め、両手を広げ女房役ポージーと激しく抱き合った。

 「もうこれ以上うそはつけないね。実は今は少しだけ疲れているよ」。珍しく冗談で切り出し会見場の笑いを誘ったが、圧巻のロングリリーフだった。3―2の5回、完封した第5戦から中2日で救援し、5回を2安打無失点。2勝に加え、ポストシーズン最長の5イニングを投げてのセーブで、リーグ優勝決定シリーズに続くMVPに文句なしで輝いた。今ポストシーズンの投球回は52回2/3となり、01年シリング(ダイヤモンドバックス)の48回1/3を大きく塗り替えた。

 完封勝利で王手をかけた第5戦直後。ロ軍の俊足男ダイソンは「いい状況だね。だってもう、彼(バムガーナー)と対戦しなくていいんだから」と強がった。だが「彼」はやって来た。ブルース・ボウチー監督は試合前、50~60球メドの救援起用を示唆したが、それを上回る68球。9回も守護神カシーヤを送ることなく、左腕に託した。

 過去3勝3敗で迎えた第7戦でビジターのチームが勝利したのは79年パイレーツが最後で、以降は9連敗中だったが、そんなデータもバムガーナーは覆した。「うちには最高の抑えがいる。にもかかわらず、自分を信じて投げさせてくれたチームに感謝する」。25歳にして早くも3個目のチャンピオンリング。その中でも最高の輝きを放つ特別なリングになった。

 ≪2人目2勝1セーブ≫バムガーナーはワールドシリーズ通算で36回を投げ、自責点は1で防御率0.25。自身の持つ投球25回以上でのシリーズ通算防御率記録を伸ばした。同一シリーズで2勝1セーブは、75年のイーストウィック(レッズ)以来2人目で、先発投手では初。ポストシーズンでの5回を投げてのセーブは、過去3度ある4回を抜き最長。

 ▼ジ軍・ブルース・ボウチー監督(史上10人目となる監督として3度目の世界一)バムガーナーは疲れが見えたら降板させるつもりだった。でも“まだいける、まだいい感じだ”と言い続けていた。

 ▼ジ軍・サンドバル(同一ポストシーズン最多記録の26安打)本当に興奮している。みんなで素晴らしい仕事ができた。

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2014年10月31日のニュース