涌井に続いた!ロッテ成瀬 横浜高“リレー”連勝

[ 2014年8月4日 05:30 ]

<オ・ロ>チームを後半戦初の連勝に導いた先発の成瀬はお立ち台で喜ぶ

パ・リーグ ロッテ8-3オリックス

(8月3日 京セラD)
 エースの自覚、そして後輩との約束。ロッテ・成瀬には負けられないマウンドだった。3点リードの6回2死二塁のピンチ。4回に本塁打を浴びているペーニャを迎え、川越投手コーチがマウンドへ足を運んだ。一塁は空いている。しかし、左腕は「勝負させてください」と即答した。

 スライダーを本塁打されていたが、ここはあえて力勝負。フルカウントからこの日最速の135キロの直球で空振り三振に斬った。「前半戦は変化球で逃げていたけど、今は強気で投げられる。攻める大切さを再確認した」。2、4回に失点したが、味方が逆転した直後の5回からの3イニングは無安打。7回1/3を投げ6安打3失点で、チームを2連勝に導いた。

 前日は横浜高の1年後輩に力をもらった。今季FAで新加入しながら、不振にあえいでいた涌井が、オリックスのエース・金子に投げ勝って今季4勝目を手にした。登板前日はいつも試合途中に球場を後にするが、後輩の投球を最後まで見届けた。試合後はベンチ裏でハイタッチし「おめでとう」と祝福。涌井からは「あしたは頼みますよ」との言葉が返ってきた。

 「ハイタッチをして気分が乗った。ワク(涌井)の笑顔を久々に見ることができて、いい刺激になった」

 03年春のセンバツは2枚看板として決勝まで勝ち進んだ2人。今季から高校時代以来のチームメートとなり、左右の柱と期待されたが、ここまで2人で10勝15敗は到底納得できる数字ではない。7月下旬にはともに2軍生活。同21日のイースタン・リーグ西武戦(ロッテ浦和)では「先発・成瀬→2番手・涌井」の継投も経験したが、本来の姿ではない。今季初めて実現した涌井、成瀬での連勝こそ、2人が頭に描いていた「リレー」だ。

 「2人でしっかりやらないと。僕たちが勝てば、チームにとっても投手陣にとってもいいことなので」と成瀬は言う。2人で切磋琢磨(せっさたくま)し、勝ち星を積み上げていけばおのずとチームも浮上していく。

 ▽成瀬と涌井 横浜高の2枚看板として03年センバツに出場し、準優勝の原動力となった。背番号は1学年先輩の成瀬が「1」、涌井は「10」。準決勝までの4試合は全て成瀬が先発。うち3試合で涌井がリリーフする継投策で勝ち進んだ。広陵(広島)との決勝戦は涌井が先発も4回途中6失点。後を継いだ成瀬も9失点と打ち込まれ、3―15で敗れた。同年夏は神奈川大会決勝で成瀬―涌井の継投も実らず、横浜商大高に敗戦した。

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