丸 濃霧切り裂き決勝弾!珍しく自画自賛「振り抜けた」

[ 2014年5月27日 05:30 ]

<広・西>6回、右越えに勝ち越し3ランを放つ丸

交流戦 広島6―2西武

(5月26日 三次)
 再加速だ。広島は26日の西武戦に6―2で快勝し、同カードの連勝を7に伸ばした。2―2の6回、丸佳浩外野手(25)が右翼芝生席へ、値千金の7号勝ち越し3ラン。投げては5回途中から救援した2番手・中田が3勝目を飾った。三次で開催された2年ぶりの公式戦で、県北(広島県)のファンに勝利を贈った赤ヘル、貯金を再び10の大台に戻した。

 7回表終了時に2分間の中断があったように、球場内に漂っていた濃霧を蹴散らし、県北ファンの大歓声を一身に浴びた。プロ初先発の西武・藤原を打ちあぐね、空気が淀みはじめた中で飛び出した値千金の一撃。殊勲の丸は胸を張り、チームの勝利に声を弾ませた。

 「初回以降なかなか点が取れなかったので、最低でも1点と思っていたら、最高の形になった。試合で一番大事な場面で打ててよかったです」

 同点で迎えた6回2死一、三塁の好機。丸に打順が回り、西武ベンチは左のセットアッパー・ウィリアムスを投入する。直球が3球続き、カウント2―1からの4球目。内角高めの120キロスライダーを振り抜くと、快音に弾かれた打球は右翼芝生席に着弾した。

 「真っすぐが速かったので、センターに打ち返そうと心掛けた。甘く入ってきたボールを、しっかり振り抜けました」

 8日のヤクルト戦(神宮)以来、実に14試合ぶりの7号3ラン。初回に2点を先制しながら追いつかれ、先行きが不透明となった中で放った勝ち越し弾を、背番号9は珍しく自画自賛した。

 今やチームに欠かせぬ顔であり、首位快走を支える1人。主力としての自覚は十分だ。遠征の際には体重計を持ち歩き、体調管理に余念がない。

 「試合が終わると87キロ台まで減ることがある。そういう時は晩ご飯を必死に食べて91キロにまで戻す。朝起きた時、90キロじゃないといけないんス」

 食が進まない時にはプロティンを流し込むことも。そうまでしてベスト体重90キロにこだわる。経験上、最高のパフォーマンスを披露できるのは90キロと知るからだ。丸ならでは…の流儀だった。

 「打った丸は凄い。その前に木村、中東もよくつないでくれた」。野村監督は好機をお膳立てした2人の名前を挙げながら、殊勲の一打を放ったヒーローを称えた。

 先制した試合はこれで20勝3敗。「交流戦は最初つまづいたけど、先制できればこういう試合ができる」。4連敗後、1番に戻った途端、チームは連勝。「交流戦はDHがあるので走者がいる場面で回る。好機で自分の打撃ができれば」。背番号9は最高のパフォーマンスを約束していた。

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2014年5月27日のニュース