九里 祖母が、母が、妹が見守る地元で力投7回1失点

[ 2014年5月14日 07:41 ]

<広・神>阪神打線相手に力投する九里

セ・リーグ 広島2―1阪神

(5月13日 米子)
 広島に勝利を呼び込んだ要因の一つは、ルーキー九里の力投だった。中学時代を過ごした米子での凱旋登板で、持ち味の打たせて取る投球を展開した。

 「テンポよく、しっかりと投げられるように。先制されたので、次の1点は絶対にやらないと思って投げた。4回以降はうまく打ち取れた」

 4月26日巨人戦で6回7失点、6日ヤクルト戦は4回3失点と先発機会2度連続でKOされており、背水登板でもあった。中学時代に登板経験があり、プロ野球公式戦のボールボーイを務めた思い出のマウンドで自己最長となる7回4安打1失点。勝敗こそ付かなかったが、役割を果たした。

 スタンドでは祖母・淳子さん、母、妹など約10人の親族らが観戦した。道を踏み外しかけた中学時代。外部との防波堤となり更生に助力してくれたのが祖母だった。

 前日12日には同期入団の大瀬良を伴い、米子市内の祖母の自宅を訪れ思い出の肉丼に舌鼓をうった。「子供のころ、よく作って食べさせていた」と淳子さん。その恩に少しだが、応える投球だった。内容次第では先発剥奪の危機もあった登板で、九里が見えない力にも後押しされ、踏みとどまった。

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2014年5月14日のニュース