栗山監督 目真っ赤「これ以降、翔平を褒めることないが」

[ 2014年5月14日 05:30 ]

<日・西>大谷を出迎える日本ハム・栗山監督(左から2人目)

パ・リーグ 日本ハム3―0西武

(5月13日 函館)
 9回、大谷が投げている最中だった。既に日本ハム・栗山監督の目は真っ赤。試合後「(大谷が)入団した時のことを思い出すと…。俺にも責任がある」と目を潤ませ、プロ初完封を喜んだ。一昨年秋、メジャー挑戦を表明していた花巻東の大谷をドラフト1位で強行指名。入団交渉に自ら出馬し「投打の二刀流」を提案して口説いた。若者の人生を変えた責任を背負った。

 日米で活躍した松井秀喜が巨人入りした際、長嶋監督は「4番1000日計画」を掲げた。同じように、栗山監督も「二刀流3年計画」を掲げる。1年目は打者、2年目は投手に軸足を置き、3年目に投打を融合させる。「投手・大谷」を本格化させた2年目で初の完封劇。「ここからがスタート。これ以降、翔平を褒めることはないが(2年目の)この時点で完封できたのは良かった」。その言葉には安どの感情が交じっていた。

 私生活でも厳しさを求めてきた。2年目の今季も大谷に「外出制限」を設けた。「やろうとしていることを考えたら、我慢しなくてはいけないことがいっぱいある」と休日の外食などについても、自身の許可を条件とする。「翔平はきっと俺のこと大嫌いだろうな」と、こぼしたこともある。

 それでも大谷は、就任3年目で過去3戦3敗だった函館で初白星をプレゼントしてくれた。前日、指揮官は函館市内にある久慈次郎氏の墓参りをした。大谷と同じ岩手県出身で、戦前に早大、実業団の函館太洋倶楽部で名捕手として活躍した「レジェンド」だ。球場前の銅像は「大谷よ、ここに投げろ」と投手の基本である外角低めを構えているため、栗山監督は「きょうは久慈さんのおかげだね」と言って笑った。2人が目指しているのは、投げても打っても超一流の二刀流だ。

 ▼日本ハム・大野(大谷を好リード)まさか完封するとは思わなかった。まだ気を抜いて投げる時があるけど、きょうは気合を入れて投げていた。

続きを表示

この記事のフォト

2014年5月14日のニュース