能見 倍返しや!セ一番乗り完封 開幕戦10失点を「ちょっと払しょく」

[ 2014年4月13日 06:38 ]

<神・巨>初回無死、長野を右飛に打ち取る能見

セ・リーグ 阪神9-0巨人

(4月12日 甲子園)
 倍返し。今では懐かしいフレーズだが、127球を投げ抜いた阪神・能見の思いは、これだ。

 「開幕で点を取られて不安はあった。そういうのはずっと残る。これでちょっと払しょくできる」。リーグ一番乗りとなる完封劇。敵地・東京ドームで受けた屈辱を、甲子園で見事に晴らした。

 3月28日の開幕戦で4回2/3を10失点。自己ワーストどころか、2リーグ制以降の開幕投手としてもワースト記録となった。中8日の先発。十分に走り込んでリベンジの舞台に立った。「(相手先発の内海より)先に崩れるより、最初から飛ばしていった」。最大のピンチは1―0の4回無死一、三塁。悪夢を振り払うように、左腕を振った。ロペスをチェンジアップで一邪飛。続く阿部をフォークで空振り三振を奪うと、開幕戦で一発を浴びた坂本も内角直球で見逃し三振に仕留めた。

 統一球が規定よりも飛びやすい数値を示した問題が起こったばかり。狭い東京ドームではなく、広い甲子園に舞台が変わり、能見はこう振り返った。「球場が違うので大胆にいった」。変化球に頼った前回登板から直球主体の配球に切り替えた。その直球で7奪三振のうち、5三振を奪った。

 「何回も対戦してきてる。やるか、やられるか」。そう表現した内海との左腕エース対決にまたも勝った。7度目の投げ合いで通算6勝0敗。チームにいずれも今季最多の4連勝と貯金2をもたらした。しかも、3連投中の守護神・呉昇桓らを温存させた。「救援陣がたくさん投げていたので休めてよかった」。エースの自覚をにじませた能見に、和田監督も「申し分ない。(巨人に)10点取られているので、きょうは相当気合が入っていたね」と目尻を下げた。

 ▽能見(阪神)通算1000投球回 12日の巨人5回戦(甲子園)で達成。プロ野球337人目。初登板は05年4月3日のヤクルト戦。

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