ダル 開幕回避も…深刻寝違え「首の位置が完全におかしい」

[ 2014年3月25日 05:30 ]

22日の練習中に首に手をやるレンジャーズのダルビッシュ

 開幕ピンチ!レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が、首の張りのため31日(日本時間4月1日)のフィリーズとの開幕戦での登板を回避する可能性が出てきた。23日(同24日)、ロン・ワシントン監督(61)が明かした。21日のマイナー戦に続き、オープン戦最終登板予定だった26日(同27日)のマリナーズ戦も回避することが決定。首脳陣は無理をさせない方針で、回復が遅れた場合は初の開幕投手という栄誉よりも、長いシーズンを優先させる。

 ダルビッシュはこの日、グラウンドに姿を見せることはなかった。室内で上、下半身のトレーニングを行い、首の治療を受けた。20日に首を寝違え、翌21日のパドレスとのマイナー戦登板を回避したが、回復は予想以上に遅れている。患部の状態については「きのうよりマシだが、首の位置が完全におかしい。前に出ている」と自ら説明。本格的なキャッチボールも再開できていない。

 当初、軽症を強調したワシントン監督の言葉は明らかにトーンダウンしていた。最終調整の場としていた26日のマリナーズ戦の先発を回避することを決定。「まだ少しだけ時間はある。数日で改善し、予定通り進められればいい」としながらも「万が一のためのプランはある」と、初めて開幕戦回避のシナリオについて言及した。

 ダルビッシュが最後に実戦登板したのは、4回2/3で84球を投げた16日のホワイトソックス戦。2度登板を回避した投手が、そのままぶっつけ本番で開幕戦に投げることは考えにくい。昨季も同じ首痛で18日のオープン戦先発を回避したが、23日の試合で復帰している。1年前より症状が重いのは明らかで、今回は日程的な余裕もない。ワシントン監督は開幕戦に起用する条件として、(1)90球前後のブルペンでの投げ込み(2)27日(日本時間28日)からの3試合のいずれかで1、2イニング程度の登板――の2点を挙げた。

 今オープン戦はここまで4試合に先発し2勝0敗、防御率3・68。首痛を発症するまでは、順調な仕上がりを見せていた。ダルビッシュは「(開幕には)中3日あれば大丈夫。チームはそれを求めていると思う。良くなることを願うだけです」と最後まで登板の道を探る一方で「ただ、無理はするなとも言われているし、僕もそのつもりはない。開幕にこだわるというよりも、首を早く治すこと」と語った。

 開幕投手を務めれば、日本人投手としては野茂英雄、松坂大輔、黒田博樹に続く4人目の栄誉。しかし、エースとしてもっと大事なことがある。ジョン・ダニエルズGMは「開幕投手は確かに偉大なことだが、最も重要なのは彼が年間通して健康で200イニング以上投げること」と完治を優先させる方針を示した。代役として、昨季10勝のペレス、右肘手術から2年ぶりに復帰した元広島のルイスが候補に挙がる。31日の開幕戦まで8日。首脳陣は慎重に回復具合を見極めて、決断を下す。

 ▽ダルビッシュ昨年のキャンプ中の首痛 3月18日のロイヤルズとのオープン戦を首の張りを訴えて登板回避。23日に中11日でレッズとのオープン戦で復帰し、メジャー移籍後最速の98マイル(約158キロ)をマークするなど、5回3安打2失点。28日のメキシカンリーグのチームと練習試合(4回1安打無失点)で最終調整し、4月2日のアストロズ戦でシーズン初登板。9回2死まで完全投球で、メジャー自己最多14奪三振、被安打1の快投を演じた。

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