鳥谷、押せ押せムード乗り勝負決めた「つなげてと…」

[ 2013年5月4日 08:13 ]

<神・ヤ>2回無死満塁、鳥谷が右前に2点適時打を放つ

セ・リーグ 阪神14-3ヤクルト

(5月3日 甲子園)
 甲子園に足を運んだ虎党は、これを見られただけでも価値がある。2―1で迎えた2回。振ればヒットの阪神の猛攻は、打者12人で6連打を含む7安打6得点に及んだ。まさに圧巻。藤井彰、メッセンジャーが連打すると、西岡、大和も続いた。1点を追加して、なおも無死満塁。押せ押せムードをさらに加速させたのが鳥谷のバットだった。

 「つなげて、つなげて、という気持ちだった。チャンスで打てれば点になる。もっと打てるようにしたい」

 石川にわずか2球で追い込まれたが屈しなかった。3球目の見逃せばボールかという低め変化球に食らいつく。一、二塁間を破る右前打で、まず2者が生還。右翼手・バレンティンの三塁送球がそれる間に、一塁走者・大和までもが本塁を駆け抜けた。試合の行方を決定づけるタイムリー。だが、チームにとっては二重三重の意味があった。

 徐々に打撃の状態が上向きつつある一方で、今季は得点圏での不振が目立っていた。1日の広島戦を終え28打数2安打の打率・071。持ち味である勝負強さは影を潜め、規定打席到達者の中でも最低の数字だった。この日も初回1死三塁では二ゴロ。嫌なムードが漂いかけたが、自らの手で払拭した。本塁打をのぞく適時打は4月20日ヤクルト戦以来、11試合49打席ぶり。得点圏での適時打は、4月18日の巨人戦以来だった。

 「徐々に状態は上がってきている。全体的に少しずつ上がってきているし、今まではピッチャーが頑張ってきた。打線がカバーできるようにね」

 和田監督も頼れる主将の復調に、大きな期待を寄せた。開幕からの30試合で5度の完封負けを喫したが、それはもう過去の話。5月反攻のシンボルとなり得る男が、その第一歩を踏み出した。

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2013年5月4日のニュース