桐光・松井5回12Kで関東切符!球場はファンで大混乱

[ 2013年5月4日 06:00 ]

<日大藤沢・桐光>5回12K1失点の力投でチームを関東大会に導いた桐光・松井

春季高校野球神奈川大会準決勝 桐光学園11-1日大藤沢

(5月3日 神奈川新聞スタジアム)
 昨夏の甲子園で1試合22奪三振の大会記録を樹立した桐光学園の松井裕樹投手(3年)が3日、春季高校野球神奈川大会の準決勝・日大藤沢戦に先発し、5回を3安打1失点で12奪三振。コールド勝ちで、チームを3年ぶり5度目の関東大会出場(18日開幕、栃木)に導いた。怪物左腕見たさに1万5000人以上が集まり、前代未聞の満員札止めの事態に。球場に入れないファンが大会関係者に詰め寄るなど「松井パニック」となった。4日は桐蔭学園との決勝戦に臨む。

 ゴールデンウイークの真っただ中。1万5000人収容の保土ケ谷・神奈川新聞スタジアムには松井を見ようと野球ファンが殺到した。お目当ての桐光学園は第2試合だったが、朝から約300メートルの長蛇の列ができた。

 大会本部は午前8時に予定されていた開門時間を1時間以上早めて対応。外野席を開放したが、それでも収容できずに午前11時10分に満員札止め。第1試合終了後に観客がわずかに減ったために入場券販売を再開したが、午後1時3分に2度目の札止めとなった。「春の大会での入場制限は記憶にありません」と高野連関係者も驚く松井人気。入場できないファンが「どうして入れないんだ!球場を変えろ!」と詰め寄る場面もあった。

 大観衆の視線を独り占めした松井。投球内容もその期待にたがわぬものだった。初回に2死一塁から4番・金子に142キロの直球を左越え二塁打されて先制点を与えたが、3回まで直球主体で8奪三振。4回からは「直球の切れが良くなかった。自分の一番いいボールで打ち取ろうと思った」と、それまで51球中8球しか投げていなかったスライダー主体の投球に切り替えた。4、5回は20球中、実に18球がスライダー。最大の武器で4三振を加えた。

 「今までだと調子の悪い球でズルズル失点した。スライダーに切り替えて、修正できたことは成長できたのかなと思う」。12個の三振は全て空振り。今大会は5試合で計58個、奪三振率は驚異の16・3となった。

 打っても3打数3安打4打点。5回は自らの右犠飛でコールド勝ちを決めた。まさしく「松井劇場」。夏の主役を取り巻くフィーバーは収まりそうにない。

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