ホームが遠い…史上初 巨人、伝統の3連戦で全部0点

[ 2013年4月12日 06:00 ]

<神・巨>7回1死、村田(左)が空振り三振に倒れ、ベンチでうつむく原監督(奥)

セ・リーグ 巨人0-3阪神

(4月11日 甲子園)
 ついに31イニング連続無得点――。巨人は11日、阪神に0―3と零敗を喫した。疲労を考慮して阿部慎之助捕手(34)をスタメンから外した打線は2安打と沈黙し、7日の中日戦(東京ドーム)の8回から31イニング連続無得点で1985、2012年の球団ワースト記録に並んだ。阪神3連戦での連続無得点も史上初で、1941年以来となる開幕7連勝の球団タイ記録後の不名誉な記録となった。伝統の一戦を2敗1分けで負け越した昨季王者の0行進が止まらない。

 気温7度の甲子園で、冷え切ったのは自慢の打線だった。スコアボードに並んだ9つの「0」。敵地で行われた伝統の一戦で、最後まで一人も本塁を踏めずに2敗1分けに終わった。球団ワーストタイの31イニング連続無得点。さらに、阪神3連戦で連続無得点は史上初の屈辱で、原監督は寒さでこわばった肩を上下にほぐしながら苦笑いした。

 「いろんな記録をつくるね。まあ、すべてが教訓でしょう。2安打では、なかなか得点は入りづらいですね」

 1戦目の能見、2戦目のスタンリッジに続き、この日は巨人戦初先発の榎田を捉えられなかった。長いシーズンを見据えて、阿部を先発から外し、村田を4番起用。その村田が、打線全体の沈黙を象徴していた。初回2死三塁では投直。2ボール2ストライクから内角低めの140キロ直球に詰まった。4回1死一塁では1ボールから3球連続で内角低めをカットボールで攻められ遊ゴロ併殺。村田は「(榎田は昨年より)スピードが落ちているけど、低めに丁寧に投げていた。スライダー系がよく曲がっていた」と振り返った。

 昨年まで中継ぎだった左腕・榎田は、145キロ前後の直球とスライダーが軸だった。だが、この日の122球のうちスライダーは15球で、カットボールは26球と多かった。村田の併殺打のように、右打者の内角を効果的に攻められた。8回に代打出場し、四球を選んだ阿部はベンチからの印象を「右バッターが難しそうだった」と説明。橋上戦略コーチも「(昨年までと)ちょっと違う。長い回を投げないといけないからね。いい勉強になった」と直球を130キロ後半にとどめて制球を重視した左腕を警戒した。

 昨年の阪神は貯金10を稼いだ相手だったが、川相ヘッドコーチは「キャッチャーの2人にやられた感じがする」と初戦で能見に直球勝負させた藤井彰、この日マスクをかぶった新戦力の日高の研究ぶりに脱帽した。

 72年ぶりの開幕7連勝から、まさかの0行進。「まあ、2度も3度も失敗しているようじゃね、これはプロとして恥ずかしいこと。教訓にということです」。4番を休ませての今季2敗目だけに、まだ原監督に慌てるそぶりはなかった。

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2013年4月12日のニュース