原監督 伯父としての喜び「家で涙を流している」

[ 2013年4月7日 06:00 ]

<巨・中>プロ初勝利をあげた菅野は原監督(左)に祝福される

セ・リーグ 巨人6-4中日

(4月6日 東京D)
 巨人の原監督は試合後、封印してきた立場を解禁した。報道陣に「きょうだけは伯父としてコメントをお願いします」と求められると、困ったように腕組み。しかし、すぐに笑みを浮かべて正直な思いを短い言葉に込めた。

 「家で涙を流しているんじゃないですかね」

 11年10月27日のドラフト会議。巨人が菅野を1位指名した直後、日本ハムも重複指名した。原監督はドラフト会場のテーブル席で顔をこわばらせた。あれから527日。13年4月6日午後4時38分、初勝利の握手を交わし「若武者らしく相手バッターに堂々と投げていたのは感じました。まだ伸びる要素はあると思います」と称えた。7回を投げ終えた時点でブルペンは無人。「代える材料はありませんでした」と8回のマウンドに送った。即戦力としての菅野への信頼だった。

 昨年12月。報道陣に異例の要請をした。「“おい”というのはやめてもらいたい。巨人の菅野、巨人の原というスタンスになってほしい」。中学時代から血縁で思い悩んできた菅野への配慮だった。だが、この日だけは偽らざる心境を言葉に乗せた。

 チームを72年ぶりの開幕6連勝に導いた「おい」のプロ初勝利。原監督は「無四球でしょう。ルーキーとはいえコントロールという部分はジャイアンツの投手陣に新しいというか、いいものを与えている」と評価したが、最後にひと言付け加えた。「点数を取られて一発という課題も残した」。最後は菅野へ親心が込められた「監督・原」としての言葉だった。

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2013年4月7日のニュース