村田 韓国討ち秘密兵器!長尺バットでの練習解禁

[ 2013年1月15日 06:00 ]

長尺バットで打撃練習する巨人の村田。頭にはWBC決勝の地・サンフランシスコが本拠地のサンフランシスコ・ジャイアンツの帽子が

 3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表候補の巨人・村田修一内野手(32)が14日、沖縄県嘉手納町で自主トレを行い、長尺バットでの打撃練習を解禁した。遠心力を生かした長距離砲のスイングを呼び覚ますためで、使用するのは大学以来。過去の国際大会で、韓国戦に打率4割以上の「韓国キラー」が、秘密兵器を手に侍ジャパンを3連覇に導く。

【侍ジャパンメンバー 今後の日程】

 アップやノックを終えた村田は、通常より長いバットを手にした。ゆっくりと体全体を使ってのスイング。ロングティーで快音を響かせた。

 「より遠くに飛ばす練習。遠心力を使って打つイメージ。体に巻きつかないといけないし、軸がぶれると振れない」

 これこそが侍ジャパンで生き残るための秘密兵器だ。昨年12月、大阪市内でミズノ社のイベントに出席した際、展示されていた長尺バットが目に留まった。昨季終了後から「来季は本塁打にこだわりたい」と豪語してきた男は即決。メーカー担当者に依頼し展示品を沖縄まで送ってもらった。

 長さは98センチで、昨季試合で使っていたバットより12センチも長い。重さも約1・3キロ(通常は910~930グラム)。長くて重いバットは、下半身と体の回転を使わなければうまく振れない。振り込むことでフォームが構築できると同時に、遠心力が増すためにヘッドを走らせて球を捉える感覚も身に付けることができる。

 村田は投手から内野手に転向した日大時代にも長尺バットを使用し、長距離砲としての基礎を築いた。プロ入り後に使うのは初めて。2月の宮崎キャンプには、グリップ部分が試合と同タイプのオリジナルモデルも届く予定で、精力的に振り込む考えだ。

 07、08年と2年連続で本塁打王を獲得したが、巨人に移籍した昨季は自己最少の12本。長打力をアピールすることが、WBCでの最終メンバー入りにつながることは自覚している。そして、侍ジャパンにとっても村田の存在は不可欠だ。

 米国やキューバと並び、日本のライバルとなる韓国にはめっぽう強い。前回09年大会の1次ラウンドでは、エース左腕の金広鉉(キムグァンヒョン)から3ラン。08年北京五輪と合わせて計5試合で打率・412と得意にしている。順当に行けば2次ラウンドで激突するライバルについて「そこに勝たないと上にはいけない。好相性?らしいですね」とニヤリ。韓国投手陣 の傾向も「苦手なボールを投げてくる」と頭に入っているが「積極的に打つこと。(どの国も)国際試合は外角が多い。そこは得意」と意に介さない。

 古巣・DeNAの石川、筒香らと一緒に行っている自主トレでは、7日の初日から打撃練習。この日は昨年12月に優勝旅行先のハワイで購入したジャイアンツの帽子をかぶり汗を流した。WBCの準決勝、決勝の舞台はそのジ軍の本拠地。サンフランシスコに乗り込む――。そんな思いが表れているようだった。

 ≪09年1次Rで金広鉉KO弾≫村田は08年北京五輪、09年WBCで韓国と計5度対戦している。特に09年WBCでは、1次ラウンドで先発の金広鉉をKOする3ラン、2次ラウンドでも計4安打とキラーぶりを発揮。ただ同順位決定戦の第2打席で中前打を放ち一塁に向かう際に右大腿部裏を肉離れしたため、決勝は出場できなかった。このほか、07年の北京五輪予選でも3打数2安打で勝利に貢献している。

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