「打てるもんなら打ってみろ」小久保 気力でつかんだ2年ぶり完封

[ 2012年9月17日 11:43 ]

完封で今季初勝利を飾った大阪の小久保志乃

 日本女子プロ野球リーグは16日、わかさスタジアム京都で後期の1試合を行い、大阪ブレイビーハニーズが兵庫スイングスマイリーズを2―0で下した。

 2年ぶりの快投で大阪に連勝をもたらした。「志乃コール」が沸き起こる最終回二死、先発小久保は最後の打者をセカンドライナーに打ち取ると、自信久々の勝利に大きなガッツポーズで喜びを露わにした。

 この日は初回からいつもとは何かが違った。いきなり一、二塁に走者を背負う苦しい展開となったが、落ち着いて後続をピシャリと抑えた。常に立ち上がりに不安のあった先発右腕だが、その後もコーナーを投げ分ける投球が冴え、兵庫打線をキリキリ舞いさせた。

 「今日は気力。打てるもんなら打ってみろという気持ちでいきました。今まで勝てず、迷惑の掛けっぱなしだったんで入念な準備をして臨みました」。球速がないことは百も承知。その中で活路を見出すには、やはりコントロール勝負しかなかった。首脳陣が用意した相手打線のデータをこと細かく分析し、狙い球、ヒットコースなどありとあらゆる全打者のクセを頭に叩き込み、マウンドに上がった。

 毎回のように得点圏に走者を置きながら、焦ることは一切なかった。「打たれたと思っても打球をみんなが捕ってくれるんで、本当に頼りになるバックがいて今日は楽しかったです。最後は私がヘトヘトでしたけどね」。夏の休止期間中、先頭に立って鍛え直したチームの守備陣には自信がある。守備が課題と言われ続けた大阪が、今ではリーグのトップを争う守備力を発揮している。

 「前回の完封勝利なんか覚えてないですよ。多分、1年目にありましたかね」と茶目っ気たっぷりな笑顔を見せた。自身の今季初勝利が、2年ぶりの完封勝利とい うおまけつき。自信をつかんだ小久保が、再び先発ローテに舞い戻った。常勝軍団大阪になる日は、もうそこまで来ている。

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