アニキ 願いかなった!田淵超え475号で単独10位

[ 2012年9月17日 06:00 ]

<巨・神>4回1死一塁、金本は右越えに2点本塁打を放ち、広告看板の巨人・長嶋茂雄終身名誉監督と同じような表情を見せる

セ・リーグ 阪神2-4巨人

(9月16日 東京D)
 人生最後となる伝統の一戦で輝きを放った。0―4で迎えた4回1死一塁。阪神・金本は24歳年下の宮国が、1ストライクから投じた2球目のフォークを完璧に捉えた。その打球の行方は4万5000人を超える観客の大歓声が教えてくれた。

 「会見でも言ったように何とか田淵さんの記録を抜きたいと思っていましたが、本当に打ててよかったです」

 12日に今季限りでの現役引退を発表。その会見の席上で「(田淵さんを)超えたい」と話していた。その願い通り、6月23日のDeNA戦(甲子園)以来となる5号2ランで通算475本塁打。田淵幸一を抜いて歴代単独10位に浮上した。右翼スタンドの巨人ファンからも「あっぱれ!」「おめでとう」と記されたボードを掲げられるなど敵地ながら大歓声で祝福された。

 試合前には巨人の小笠原、高橋由、阿部から花束をプレゼントされた。球団からの提案に原監督が「ぜひやりましょう」と賛同して実現したもの。引退試合以外では異例の光景だった。広島時代から巨人戦で放った本塁打は通算96本目。衣笠祥雄の101本、山本浩二の100本に次ぐ歴代3位の大記録にライバル球団も敬意を表した格好だ。「正直うれしい。花束もいただいた。チームの枠も超えてジャイアンツに感謝している」と感慨深げだった。

 44歳5カ月での本塁打は、自身の持つセ・リーグ最年長弾の記録を3カ月更新した。さらに打点も長嶋茂雄が持つ歴代7位の1522打点まで2打点。田淵超えの次はミスター超え。もう1つの勲章を加えるべく、金本はさらに輝き続ける。

 ▼楽天・田淵ヘッドコーチ(通算本塁打で並んでいた金本に抜かれ歴代11位に)良かった。良かった。もう超えられたもんだと思っていたら並んでいたんだ。俺は11番目だ。

 ▼巨人・原監督 東京ドームのジャイアンツファンも金本の勇姿を強く植え付けられたのではないでしょうか。

 ≪巨人戦は96本で単独3位≫金本(神)が4回に5号2ラン。通算本塁打を475本とし田淵(西)の474本を抜いて歴代単独10位に浮上した。巨人戦は通算96本で打ち止め。衣笠(広)101本、山本浩(広)100本に次ぐ単独3位で終わった。また、通算打点はこの日の2打点で1520。歴代7位の長嶋(巨=1522)に2打点差と迫った。宮国(巨)からは初めての一発。金本が本塁打した投手は226人となり、こちらはローズ(オ)の持つ228人の最多記録にあと2人になった。

 ≪セでは最年長弾≫金本は現在44歳5カ月。プロ野球最年長本塁打は57年岩本(東映)の45歳5カ月だが、セでは金本自らの44歳2カ月(6月23日DeNA戦)を更新する最年長弾となった。なお、20歳4カ月の宮国との年齢差は24歳0カ月。打者が年長のケースでの最大年齢差の本塁打は、56年3月29日に44歳0カ月の岩本(東映)が19歳2カ月の伊藤(毎日)から打った24歳10カ月差。金本と宮国との年齢差はそれに次ぐものだ。

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