トップタイ５勝目！ルーキー大田がタイトルレース名乗り

好投し完封で５勝目を挙げた兵庫の大田

　日本女子プロ野球リーグは１日、明石トーカロ球場で後期の１試合を行い、兵庫スイングスマイリーズが大阪ブレイビーハニーズを５―０で下した。

　新人王の枠を飛び越え、一気に最多勝タイトルへと狙いを定めた。最終打者を三振に打ち取った大田秀奈美は、ガッツポーズで喜びを表現した。「最後は三振で終わりたいという気持ちが強かったんです。家族が球場で見守ってくれる中、その通りに三振で終われてうれしかったですね」。

　終わってみれば、プロ入り初完封勝利。大阪打線に三塁を踏ませない投球でチームを後期開幕後３連勝に導いた。「なんとか成長した姿を見せたかったですね。前期終了後から走り込んできたことを、自信に変えて投げられたことが良かったです」とこの日は故郷の鹿児島から家族全員が駆け付け、ひと際投球に力が入った。

　開幕前には父親から腕の振り方など、多岐にわたってアドバイスを受けた。高校時代のように親子二人三脚でプロを目指した原点を思い出しながら、心身ともに鍛え抜いた。伸びのあるストレートに加え、前期には見られなかった安定したコントロールのスローカーブ。緩急を自由自在に操る投球で打者のタイミングをことごとく外した。

　打っても、２安打２打点と自らの後期初勝利に花を添えた。これで同僚・植村、小西美加（大阪）に並んで、ハーラートップの５勝をマーク。「後期は数字も意識しているので、前期シーズンとは違った姿を見てもらいたいです」とタイトル争い参戦を宣言。打って投げて、頼もしいルーキーが後期の兵庫を引っ張っていく。