あるぞ最多勝→セーブ王!涌井、20S到達「みんなのおかげ」

[ 2012年9月2日 06:00 ]

<西・ロ>20セーブ目を挙げた西武・涌井

パ・リーグ 西武4-2ロッテ

(9月1日 西武D)
 飾らない素直な笑顔だった。今季最多の3万3916人が詰めかけた西武ドーム。マウンドではクールな西武・涌井が、今季初のお立ち台で周囲への感謝の念を口にした。
【試合結果】

 「最後に投げるだけでみんなのおかげ。これからもお立ち台に上がれるよう、セーブを積み重ねていきたいです」

 リーグトップのロッテ・薮田に2差に迫る20セーブ目。だが半年前は守護神になることなど想像もしていなかった。今季はエースとして5年連続5度目の開幕投手を務めたが、3連敗を喫して出場選手登録を抹消された。昨季も9勝止まり。打たれたくない恐怖心から腕が振れなくなり、変化球でかわす姿が目立っていた。5月から渡辺監督は抑えで復帰させた。短いイニングなら速球中心の配球で腕を振れるようになれる。そして「もう一度腕を振れるようになったら、先発に戻そうと思っていた」という。

 その矢先に女性問題で1カ月間、事実上の謹慎生活を送った。6月下旬に再び守護神で復帰したが、その適性もあった。当初は先発と救援の調整法に戸惑ったが「(先発時は)ブルペンで30球以上投げていたが12、13球ぐらいにしたらしっくりきた」と適応能力の高さを発揮。チームが快進撃を続ける中、代役も見当たらないため今季は抑えに専念することになった。07、09年には最多勝のタイトルを獲得。過去に最多勝を獲得した投手が救援タイトルも獲得したのは5人しかいない。「7月あたりから(抑えは)いいなあと。まずは優勝。優勝すればセーブも増える」と今では抑えの自覚も十分だ。

 この日の最速は146キロ。指揮官は「球が全然違う。責任感だよ」と絶賛する。涌井も「監督がそれなりの決意で抑えにしたのだから応えたい」と言った。その横顔はたくましい守護神そのものだった。

 ≪史上6人目の偉業へ≫涌井(西)が今季リーグ最多にあと2と迫る20セーブに到達した。涌井は今季チームの開幕投手。開幕投手を務めたシーズンに20セーブをマークしたのは82年斉藤明夫(大洋=30S)に次ぎ涌井が2人目。開幕投手が抑えのタイトルを獲得なら74年星野仙一(中)、75年村田兆治(ロ)に次ぎ3人目となる。また通算80勝の涌井は07、09年に最多勝を獲得。最多勝と抑えのタイトルを獲得すれば史上6人目となるが、涌井はどうか。

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