東浜、納得の完投勝利!「勝てる投手」証明

[ 2012年9月2日 06:00 ]

<亜大・東洋大>力強い投球で完投勝利を挙げた亜大・東浜

秋季東都大学野球 亜大2―1東洋大

(9月1日 神宮)
 高校生が藤浪なら大学生は東浜だ。今秋ドラフト1位候補の亜大・東浜巨(なお)投手(4年)が、秋季リーグ開幕戦の東洋大戦に先発し、7安打1失点で完投勝利。ネット裏に集結した国内12球団37人のスカウトの前で、亜大の先輩・阿波野秀幸らに並ぶリーグ史上9位タイの通算32勝目を挙げた。初回に3安打で1失点も、2回以降は無失点で切り抜けた。今秋ドラフトでは大学生の目玉となる東浜が、ラストシーズンを最高の形でスタートさせた。
【試合結果 東浜巨とは】

 143球目は低めに沈むツーシームだった。最後の打者・角を難なく二ゴロに仕留め完投勝利。1点リードを最後まで守りきった東浜は、引き締まった表情で整列に向かった。

 「立ち上がりは慎重になりすぎて点を取られた。でも2回以降は自分のペースで投げられたと思います」

 初回に3連打を許し1点を失った。続く2回。マウンドに向かう前に雨で19分間の中断があった。ベンチ裏でストレッチをしながら、冷静さを取り戻した。流れを変えるために「三振を狙った」という2回は3者連続三振。8回には右ふくらはぎがつったが続投を志願し、7安打1失点で開幕戦勝利を挙げた。

 沖縄尚学時代の08年センバツで優勝投手になった。「成長するために」亜大に進学。大学ラストシーズンは、4年間の成長を披露するマウンドでもあった。ネット裏に国内12球団37人のスカウトが勢ぞろいする中、2回以降のギアチェンジに始まり、走者を背負いながらも失点しない持ち味も披露した。1年春から投げ続けてきた経験と、打者に対する洞察力が4年春までにリーグ記録の21完封を達成した要因だ。これで通算32勝目を挙げたが、この日を含め1点差勝利は10度目。「目の前のアウトを取るだけ。点差は見ていない」と勝てる投手であることをあらためて証明した。

 今春リーグ戦は2季連続優勝を果たしたが、全日本大学野球選手権決勝では早大に敗れた。大会後に行った生田勉監督との進路面談では「今のままでは上のレベルでは通用しない」と厳しい指摘を受けた。8月の北海道キャンプでは直球の切れを取り戻すことに没頭し、オープン戦3試合は全球直球で投げきった。それでも8月28日、早大相手に3回7失点と返り討ちにされた。開幕2日前。1年時のフォームをビデオで確認し、セットで投げていたフォームをワインドアップに変えた。直球の最速は144キロ。「原点に戻れた。まだまだですけど、真っすぐは春よりも指に掛かった」と納得の表情を見せた。

 「自分のことよりもチーム」と、進路については封印しているが、目標は1位指名でのプロ入り。3季連続優勝を成し遂げ、1位の評価を証明する、ラストシーズンにする。

 ▼東洋大・高橋昭雄監督(東浜について)2回以降はうちの打者の弱点を見ながら、うまく放っていた。大したもの。直球が多かった。

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