東海大甲府8年ぶり8強!2年生・渡辺、走攻守で魅せた

[ 2012年8月20日 06:00 ]

<東海大甲府・宇部鴻城>5回2死一、二塁で右中間2点同点適時三塁打を放った東海大甲府・渡辺

第94回全国高校野球選手権大会3回戦 東海大甲府3―2宇部鴻城

(8月19日 甲子園)
 スーパー2年生は桐光学園の松井だけではない。打って、走って、守って。東海大甲府の渡辺が縦横無尽にダイヤモンドを駆け回った。「僅差の試合で勝ててよかった」と全得点に絡んだヒーローは、お立ち台で笑顔を浮かべた。

 決勝点は渡辺の足で呼び込んだ。敬遠で一塁に歩かされて訪れた2―2の7回1死一、三塁の好機。カウント2ボールとなった場面で、村中秀人監督がエンドランを仕掛けた。打球は遊ゴロ。遊撃手の山岡はスタートを切っていた渡辺の二塁封殺を諦め、一塁に転送する間に三塁走者の神原が生還。渡辺はがら空きとなった三塁を一気に陥れた。「2ボールからなら必ずストライクが来ると思った」と指揮官。50メートル走6秒1を誇る渡辺が一塁にいたからこそ、併殺を防ぐために仕掛けることができた作戦で、機動力を最大限に生かした。

 渡辺は0―2の5回2死一、二塁では中越えへ貴重な2点適時三塁打。今大会は2回戦の龍谷大平安戦で本塁打を放つなど打率・455と大当たりで、昨秋のドラフト1位で中日入りした高橋周を押しのけ、昨夏の山梨大会で1年生4番を務めた実力を存分に発揮した。また遊撃の守備でも2回1死一塁からエンドランを仕掛けられたが、素早く遊ゴロをさばき併殺を完成させた。

 「目標は8年前(04年)の4強以上が目標なので、まだ通過点です」。きっぱりとそう言い切る2年生が、東海大甲府の躍進の原動力となる。

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2012年8月20日のニュース