球団初V後押し…三木谷球団会長、オーナー職復帰へ

[ 2012年6月8日 06:00 ]

 楽天の三木谷浩史球団会長(47)が、今季中にオーナー職に復帰する可能性が高いことが7日、分かった。今月中にも方向性が決まる見込みで、復帰すれば07年以来5年ぶりだ。三木谷オーナーの復帰となれば球団経営、編成面で即断即決が可能となり、球団史上初のリーグ優勝を狙うチームのサポート態勢がより強固なものとなる。

 楽天の創業者でもある三木谷会長は、球界再編問題に揺れる04年9月に球界参入の意向を表明。一躍脚光を浴びた。同年11月に新規参入が決定し、そのままオーナーに就任。本拠地を仙台として地域密着と健全経営を掲げ、多忙な本社業務の合間を縫って頻繁に球場に足を運んだ。しかし08年1月1日付でオーナー職を退き、島田亨球団社長が同職を兼務。当時は「(創設の05年からの)この3年間で球団の経営、運営も一定の段階に達することができたと判断した。今後は会長としてプロ野球界の発展に寄与したい」とコメントしていた。

 東北をフランチャイズとする楽天にとって、今季は昨年3月11日の東日本大震災からの本格的な「復興元年」。地元が兵庫で、95年の阪神大震災の被災者でもある三木谷会長は「東北を元気にしたい」という思いが強く、これまでに個人で10億円を寄付するなど積極的に支援活動を行っている。被災者に夢と希望を与える立場のチームは故障者が続出しながらも若手が台頭し、貯金2でリーグ3位。5月30日の巨人戦(東京ドーム)を観戦した際は「若手が頑張っている。ヤングイーグルスでいいんじゃないか」と話していた。

 発言にも絶大な影響力がある三木谷会長が現場復帰となれば、オーナー会議でも注目を集めることは確実。早ければ今月中にも「カリスマオーナー」が帰ってくる。

 ◆三木谷 浩史(みきたに・ひろし)1965年(昭40)3月11日、兵庫県生まれの47歳。一橋大卒業後、日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)に入行。91年、米ハーバード大ビジネススクールに留学し、MBAを取得。95年に同行を退職し、97年にエム・ディー・エム(現楽天)を設立。現在は代表取締役会長兼社長。02年に米ビジネスウイーク誌で「年間最優秀起業家」に選ばれる。11年にはフォーブス誌で資産56億ドル(約4648億円)と報じられ、世界182位、日本5位にランクインした。

続きを表示

2012年6月8日のニュース