巨人内部資料流出問題「清武氏の可能性が最も高い」

[ 2012年5月27日 06:00 ]

清武氏関連の調査結果について会見する巨人の桃井球団社長

 巨人・桃井恒和球団社長(65)は26日、契約金超過問題に関する報道に関して、東京・大手町の球団事務所で会見を行い、外部有識者による調査委員会の報告書などから、前球団代表の清武英利氏(61)による内部資料流出の可能性が最も高い、との結論に至ったと発表した。

 球団が3月に設置した調査委の報告によると、流出書類は少なくとも24件。作成時期などからその書類全てに接触できたのは桃井社長と清武氏の2人だけだったという。さらに、清武氏が当時使用していた球団所有の携帯電話に、契約金超過問題を報じた朝日新聞の記者との通話履歴があったことも明かした。桃井球団社長は「球団独自でやっていた内部調査も合わせて、総合的に判断して内部資料を流出させたのは前代表GMであった清武氏である可能性が最も高いという結論に至った」と説明した。

 また、球団独自の調査で、清武氏が取締役を解任された昨年11月18日夜、球団事務所から段ボール25箱分の資料を出版社「ワック」に送付したことが判明。同社は清武氏が解任後に出版した著書の出版元だった。球団は資料の返還を求める前段として東京地裁に占有移転禁止の仮処分を申し立てていた。この日、巨人所有の書類引き渡しの民事執行が行われ、清武氏が同出版社で使っていた机の周辺で「新戦力獲得費用一覧」という文書などが見つかったという。

 これらの動きを含め、桃井球団社長は「調査報告書で彼が流出させた可能性が最も高いことがある意味、裏付けられた」と主張。ただ、現時点で持ち出しを断定するだけの証拠はない、ともしている。今後、窃盗罪など刑事告訴の可能性については「専門家と相談していく」と慎重に話した。

 ▽占有移転禁止の仮処分 民事保全法に基づくもので、所有者が土地や建物など目的物の返還を請求する場合に、占有者が転々とするのを防ぐために固定し、明け渡し手続きを潤滑に行うための手続き。

 ▽巨人の内部資料流出問題 3月15日未明に、朝日新聞がデジタル版で「巨人、6選手に契約金36億円 球団申し合わせ超過」との記事を掲載。実名を挙げ、最高標準額の合計を27億円超過していたと報じた。一方の巨人も同日未明に反論文書を報道各社に配布。その後、朝日新聞に対し、謝罪文の掲載などを求める抗議書を送付した。また清武前代表が内部資料流出に関与したかについて、渡辺球団会長は同19日に「他に誰がいるのかい。全部調べたよ」と発言していた。

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2012年5月27日のニュース