バッテリー呼吸合わず連敗…兵庫ナイン号泣

[ 2012年5月27日 08:01 ]

通算100安打に到達した兵庫・田中幸夏

 第1試合で大阪に敗れ、第2試合で京都にも逆転負けを喫した瞬間、兵庫ナインは悔しさのあまり、涙をこらえることが出来なかった。1試合目で先発し、初回から3四球を出すなど、5回7失点と大乱調だった植村は不甲斐なさに自らを責め続けた。「2つ勝たないと優勝はもう出来ないとわかっていた上で、大事な試合をこういう形で落としてしまった。いつもと同じ繰り返しに言葉が出てこない」。今季は正捕手の川保が故障で離脱するなど、捕手が日替わり状態だった。最後までバッテリー間の呼吸の問題は解決なかった。

 <3人が通算100安打到達>連敗したが、この日は兵庫の川保、田中幸夏、岩谷の3選手がプロ入り3年目で通算100安打に到達した。なかでも、大暴れしたのが3番の田中幸夏。1試合目で3打数3安打を記録すると、2試合目でも4打数4安打と合計で1日7打数7安打の驚がくの打撃を見せた。打率は試合前の.244から一気に.354へと急上昇。田中は「19日から行われた日本代表候補合宿などで学ぶことが多かった。まずはボールの見え方が変わったのが大きい」と話した。今までは体の開きを気にするあまり、左肩を内に入れ過ぎていたことで左目だけでしか球を追えていなかった。顔を正面に向け、右目も使うことで球の軌道をしっかりつかむことが可能になった。優勝の可能性はほぼ消滅したに等しいが、前期シーズンはまだ1カ月ある。8月のワールドカップも見越して、田中はさらに猛チャージを掛けていくつもりだ。

 <最下位大阪、川崎の活躍で2位兵庫に並ぶ>大阪が川崎ひかるの2本の二塁打で兵庫優勝の可能性を断ち切った。同点で迎えた3回1死一塁、川崎は兵庫の先発左腕植村から逆転の左翼線適時2塁打を放った。5回にも1死から同じ植村の直球を叩き、左越え二塁打で出塁。8番碇の中前打で生還すると、その後も3本の長短打を呼び込み、計5点を奪うビッグイニングを作った。4月1日以来、約2か月ぶりの複数安打を放った川崎は「2本とも手応え的には完璧と言っていいほど思い切って引っ張れた。左投手に崩されたのがきっかけで調子を落としてました」と語った。京都の左腕半田との対戦で左肩が開くようになり、ドアスイング気味になってしまった。練習から右打ちを徹底し、軸を右に残してのスイングを体に覚えこませ、不振から脱出した。一度センターに入ってからの引っ張りを思い出し、この日はその左腕から大きな一打で苦手意識を払しょくした。「残りの試合全部勝てるように、できるだけ上を目指して頑張りたいと思う」。兵庫が連敗したことで、大阪は同率2位に浮上。新球団として創設1年目の最下位は避けたいだけに、し烈な順位争いとなりそうだ。

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2012年5月27日のニュース