創部6年目・至学館が強豪・愛工大名電を下し初の甲子園

[ 2011年7月31日 06:00 ]

<至学館・愛工大名電>愛工大名電を下して甲子園初出場を決め、マウンドに駆け寄り喜びを爆発させる至学館ナイン

愛知大会決勝 至学館4―3愛工大名電

(7月30日 岡崎市民)
 9回裏1死満塁のピンチを背負っても、失うもののない至学館ナインに動揺はなかった。最後は主将の二塁手・岡が冷静にゴロを処理し、「本当に何が起こったのか分かりません」と号泣した。

 創部6年目にして手にした奇跡の甲子園キップだった。05年に現校名に改名し同時に共学に。野球部は翌06年から活動を開始した。しかし校庭の片隅を利用しての練習ではキャッチボールやトス打撃も行えない。打撃練習といえば、狭い打撃ケージの中でネットに向かってひたすらボールを打ち続けるのみ。対外試合で他球場を訪問した際に、昼休み中の空き時間を利用してサインプレーや守備練習を行った。

 「明日からの練習会場がないんですよ」と話す麻生監督は「こんな環境だから選手も集められない。余り実績のある選手はいないですよ」と明かす。苦しい環境のなか、座禅を取り入れて精神力を磨き、投手6人をベンチ入りさせての継投策で激戦区を勝ち上がった。

 歌謡曲調のメロディーに斬新な歌詞を乗せた校歌も必聴だ。初出場の聖地で勝ち名乗りを上げ、至学館の名前を全国にとどろかす。

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2011年7月31日のニュース