日大三 吉永14Kで雪辱V!斎藤の呪縛から解放された

[ 2011年7月31日 06:00 ]

<日大三・早実>甲子園出場を決めマウンドでガッツポーズをする日大三・吉永

西東京大会決勝 日大三2―1早実

(7月30日 神宮)
 第93回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は30日、8大会11試合が行われた。西東京大会決勝では、今春センバツ4強の日大三のエース吉永健太朗投手(3年)が毎回の14奪三振の力投で早実を2―1で下した。06年の決勝では斎藤佑樹投手(日本ハム)擁する早実に苦杯をなめたが、5年前の雪辱を果たし、2年ぶり14度目の出場を決めた。31日は栃木、東東京大会の決勝など3大会で4試合が行われる。

 自身通算16度目の甲子園出場。聖地の常連であるはずの小倉全由監督の声が震えていた。「早実さんには斎藤君のときに負けているので、自分の中では絶対に負けるもんか、という気持ちでした」。これまで秘めてきた胸の内を、2万人の観衆の前で思わず吐露した。それほどあの敗戦を引きずっていた。

 06年の早実との決勝戦。西東京大会初の4年連続出場を狙ったが、延長11回にサヨナラ負け。早実は斎藤の「ハンカチ王子」旋風の中で全国制覇を成し遂げ、日大三は09年まで甲子園から遠ざかった。「あの時、(選手に)ひと声かけていれば違った結果になったかもしれない」。小倉監督の中で早実戦は、いつまでもしこりとして残っていた。

 そんな指揮官の悔しさをエースの吉永が振り払った。今春センバツ後に磨いたスライダーとカーブでカウントを稼ぎ、最速145キロの直球に加えシンカーでバットに空を切らす。7回に暴投で1点を失った後も2三振で断ち切り、奪った三振は毎回の計14個。準決勝までの3試合では21回2/3を投げ7失点と本来の調子からはほど遠かったが、「今大会は思い通りにいかなかったけど、きょうは打線が取ってくれた点を守ろうと思って投げた。技術ではなく気合です」と、大一番でプロ注目右腕の本領を発揮した。

 昨年はセンバツで準優勝しながら、夏は甲子園出場を逃した。それだけに、小倉監督は「(今年は)甲子園に連れて行かなくては、というプレッシャーはありました」と本音を漏らした。そして「吉永が今日の投球なら恥ずかしくない試合ができる」と甲子園での戦いに思いをはせた。5年前の早実戦、斎藤の呪縛から解き放たれた今、狙うは10年ぶりの深紅の大旗だ。

 ▼オリックス・近藤(02年卒OB)力があるチームなので、周りの期待も大きいと思います。プレッシャーもあるでしょうが、思う存分に甲子園を楽しんでほしいです。

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2011年7月31日のニュース