一場以来7年ぶり!近大工学部・久保田ノーヒットノーラン

[ 2011年6月9日 06:00 ]

<名桜大・近大工学部>ノーヒットノーランを達成し満面の笑みを見せる久保田

全日本大学野球選手権1回戦 近大工学部3―0名桜大

(6月8日 東京D)
 28人目の打者を遊ゴロに仕留めた近大工学部・久保田は笑顔で歓喜の輪に包まれた。「人生初めて。ノーヒットは9回に入って気づきました。達成の瞬間は鳥肌が立ちました」。

 あどけなさが残る3年生左腕が、04年に完全試合を達成した明大・一場(現ヤクルト)以来のノーヒットノーラン達成。チームを20年ぶりの初戦突破に導いた。

 人生初の全国舞台で満点の投球を披露した。許した走者は3回の四球だけ。自己最速を2キロ更新する最速140キロの直球にスライダー、カーブ、チェンジアップを交え、11三振を奪った。

 広島・山陽2年春に腰椎(ようつい)分離症を発症。歩くことも困難で一時は選手生命の危機に立たされた。「ここまで野球を続けられるとは思いませんでした」。今も完治はしていないが、ケガと付き合いながらの快挙達成に喜びもひとしお。「腰のことがあるのでプロは考えたことがありません。今は公務員になりたいと思っています」と話す普通の大学生。9日の2回戦・富士大戦でも快挙におごることなく、一戦必勝を期す。

 ◆久保田 高弘(くぼた・たかひろ)1991年(平3)3月2日、広島県廿日市市出身の20歳。山陽では2年夏の県大会8強が最高成績。近大工学部では1年春からベンチ入り。今春の広島六大学リーグ戦は7試合で7勝0敗、防御率0・87。1メートル73、65キロ。左投げ左打ち。

 ▼阪神葛西稔スカウト(法大のエースとして、88年の第37回大会1回戦で近大工学部相手にノーヒットノーラン)大きな大会での快挙だし、この経験をさらなる成長につなげてほしい。僕の時もそうでしたが、1人でやれる記録ではない。チーム全員が喜んでいることでしょう。

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2011年6月9日のニュース