パ、東京、東北電力管内で4月中のナイターなし

[ 2011年3月22日 06:00 ]

議長の楽天・島田オーナー(左から2人目)の呼びかけでで震災の犠牲者に黙とうをささげる会議出席者たち

パ臨時オーナー会議、理事会

(3月21日 都内)
 パ・リーグは21日、東京都内で臨時のオーナー会議と理事会の合同会議を開き、東日本大震災の影響で4月12日まで開幕延期した公式戦日程について協議。文部科学省による節電要請の通達を考慮して(1)東京電力・東北電力管内での4月中のナイターを取りやめ(2)9回完了の上で試合時間3時間30分を超えて新しいイニングに入らない、という節電策を発表した。

 パ・リーグとして声明を出し、島田亨議長(楽天オーナー)は「戦後最大の災害の状況下で被災者の心情を最優先に配慮して、できる限りの興行をやっていく。日程調整は厳しいが、日本シリーズまで日程通りやれるよう調整する。文科省通達に最大限配慮して対応したい」と説明。ナイター取りやめは電力事情次第で5月以降も継続するとし、福島原発事故への対応は機動的にパのオーナー会議を開いて判断することを確認した。

 セは延長戦なしなど6項目の節電策を決めてパに同調を求めたが、延長戦についてロッテ・瀬戸山隆三球団社長が「9回打ち切りでは野球が変わってしまう」と指摘。74年の第1次オイルショック時に倣って試合時間制限で対応した。セの「減灯ナイター」に対してもパはデーゲームへ完全移行。セが文科省と節電策をすり合わせたのに対し、パは独自策を打ち出し、関係者は「セに同調する意見はなかった」という。22日の文科省への報告はセ、パ異なる節電策を示すことになる。

 合同会議後に引き続き行われた理事会で日程調整を詰め、パの井上智治理事長(楽天オーナー代行)は「できる限り節電の日程を組み込んだ」と説明。延期分の44試合を終盤に組み込む方向で机上の計算では20連戦となる可能性もあり、今後は細部調整を急ぐ。

 ≪各オーナーの声≫

 ▼ソフトバンク・笠井和彦オーナー代行 われわれは球場を使ってほしいと言っている。楽天さんだけに限らない。ロッテさんや西武さんにも申し入れてある。例えば楽天主催となればチケットの問題もあるが、営業部が協力するつもりでいる。

 ▼西武・後藤高志オーナー 計画停電をしっかり踏まえた上で日程調整をしていく。これからパ・リーグの実務レベル、実行委で開催場所など、いろいろなことを想定して決める。

 ▼日本ハム・大社啓二オーナー (札幌ドームの他球団使用は)依頼があれば検討したい。試合日程は全て平等は厳しいが、極力ハンデなく、フェアになるようにする。臨機応変さが必要。ファンが納得できる活動をしていきたい。安全、安心して見られるような試合の提供に努めないといけない。

 ▼オリックス・宮内義彦オーナー 阪神大震災の時は被災地の方々の一助になればと行動し、よくやったという言葉をもらった。今回も国民からプロ野球はよくやったと思われるようにしないといけない。

 ▼楽天・島田亨オーナー 戦後最大の災害の状況下で、一般常識、被災者の心情を最優先に配慮して、できる限りの興行をやっていく。節電も条件によって最大の貢献ができるようにする。

 ▼ロッテ・瀬戸山隆三球団社長 4月12日開幕に向けて心を一つにして、できることを精いっぱいやっていく。マリンビジョン、リボンビジョンも極力、使わないよう検討していく。

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2011年3月22日のニュース