楽天、4・29仙台開幕へ!復興へ22日修復スタート

[ 2011年3月22日 06:00 ]

被災地への救援物資を積み込む楽天2軍の選手たち 

東日本大震災

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県仙台市を本拠地とする楽天が、4月29日のオリックス戦からKスタ宮城での主催試合を開催できるように準備を進めていることが分かった。21日、東京都内で行われた臨時オーナー会議で島田亨オーナー兼球団社長(46)が明かした。Kスタ宮城の復旧作業は22日からスタート。交通などのインフラも含めた進ちょく状況を見ながら、「4月29日、本拠地開幕」を目指す。

 被災地・仙台に「復興のシンボル」として楽天ナインが帰ってくる。島田オーナーはKスタ宮城での主催試合開催に強い願いを込めた。

 「地元ファンの方に最もふさわしい形で野球興行をするのが使命。現時点では4月29日をメドに態勢を立てていきたい」。震災から49日後となる4月29日「昭和の日」を目標に、復興試合を実現する準備を進めていることを明かした。

 Kスタ宮城は震災の影響で、グラウンドや照明、観客席、クラブハウスなどの一部が損壊。球場内には水漏れの可能性もあるという。建築専門家の判断を仰ぎながら、22日から復旧作業を始める。同オーナーは「見た目はどうでもいい。とにかくお客さまの安全が確保できることだけ。構造的な安全確認をすることが必要最低限」と語った。

 球場修復以上に問題となってくるのが仙台までの交通手段や宿泊先などのインフラだ。交通手段については、震災で壊滅的な打撃を受けた仙台空港や東北新幹線の利用は4月29日までに完全復旧は不可能な状況。同オーナーは「ビジター球団さんには負担をおかけすることになる」とした上で、福島原発の事故も憂慮し、山形空港から特別運行バスを手配し、約1時間30分かけて仙台入りする移動手段を提案した。また、宿泊施設については、球団側に仙台市内の一部のホテルが4月上旬に営業を再開する情報が入ってきており、ビジター球団はもちろん、地方から訪れる観客の宿泊先が確保できることになる。

 チームは仙台市に戻れないことから、当面の拠点となる神戸市に滞在しての練習がこの日から始まった。星野監督は甲子園球場の室内練習場で、島田オーナーが「4・29」という本拠地に戻れる具体的な目標を掲げたことに、「思ったより早かったな。最悪5月、6月くらいになると思っていた。選手も目標となるだろう」と声を弾ませた。エースの岩隈は「プレーで伝えられることもたくさんあると思う。早く仙台でやりたい」と待ち遠しい様子。さらに主砲の山崎が「1カ月は遠いけど、開幕すればすぐだよ。いい状態で仙台に帰って、勇気づけたい」と話せば、岩村も「水も食料もない中で生活している人がいる。自分の無力を感じる。そういう人たちの力になりたい」と誓いを新たにした。

 未曽有の震災が起こらなければ、楽天は球団創設7年目で初の本拠地開幕を迎えていた。その願いはかなわなかったが、ナインのプレーが地元・仙台や東北の人々に勇気と感動を与え、復興への道標となる。

 ▼楽天・嶋 まだ話を聞いていないので、何と言っていいか難しい。開幕に合わせていくだけです。

 ▼楽天・田中 安全にできるなら仙台でやりたいですけど、まだどうなるか分かりません。

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