斎藤メッタ打ち初先発!9失点に「プロは凄い」

[ 2011年3月22日 06:00 ]

<日・神>3回、阪神打線につかまり苦しげな表情の斎藤

オープン戦 日本ハム3―12阪神

(3月21日 札幌ドーム)
 洗礼というには、あまりに強烈すぎた。プロ初先発となった日本ハム・斎藤(早大)は予定投球回の5イニングにも届かず、事実上のKO。だが、降板後は3回13安打9失点の内容を努めて冷静に振り返った。

 「あらためてプロの打者が本当に凄いと身に染みて感じた。自分の力がまだまだだけど(阪神打線は)止まらなかった」

 東日本大震災の影響で予定された先発登板試合が2戦連続で中止となり、15日ぶりの実戦登板。斎藤自身は「それは関係ない」と否定したが、調整の難しさもあったのだろうか。初回こそ無失点で切り抜けたが、2回に林威助(リン・ウェイツゥ)に中前適時打を浴びてプロ初失点すると冷静さを欠き、「打たれたくない」と力んだ。2死一塁でマートンを打席に迎えた3球目、一塁走者の藤井彰に盗塁を許した。クイックモーションは標準レベルの1・2秒前後の右腕が、この時は1・7秒。これには吉井投手コーチも「クイックを本人が勝手にやめてみんなに怒られていた」。マウンド上で自分の姿を見失っていた。

 連打を浴びるにつれ、ストライクを取ろうと淡泊な投球となり、そこを阪神打線に早いカウントで打たれリズムも悪くした。その象徴が3回だ。先頭の平野への4球目、捕手の大野が外角に構えた1球は真ん中高めへ。差し出したグラブをはじいて内野安打にすると、もう歯止めがきかない。犠飛と四球を挟んで6連打。斎藤本人も「(野球人生で)記憶がない」という1イニングで8点を失った。

 それでも現時点で先発5番手の評価は変わらない。次回は27日のロッテとの練習試合(札幌ドーム)で、5回で80~100球を投げる予定だ。開幕5戦目となる4月17日のロッテ戦(同)の公式戦デビューを目指し、斎藤は「打たれるべくして打たれた。甘くなっても差し込める球を投げられたら」と前を向くと、「(これまで)無失点で何となく怖い感じもあったので…」。0点に抑え続けてきた呪縛から解き放たれ、ホッとした表情ものぞかせた。

 全てはシーズン本番のために。大量失点も糧にして、プロの壁を乗り越える。

 ▼阪神・マートン いろいろな球種をコーナーに投げていくタイプの投手だろうけど、きょうは甘い球があった。たった1度の登板だし、これで彼のキャリアが変わるわけではない。
 
 ▼阪神・林威助 第1打席の初球のフォークはブレーキがかかっていたし良かった。ツーシームもけっこう動いていた。低め低めを突こうとしていたけど、きょう(21日)は抜けたりする球が多かった。

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