館山気迫の4勝目!最下位転落の危機救った

[ 2010年6月24日 06:00 ]

<ヤ・巨>力投するヤクルト先発・館山

 【ヤクルト4-3巨人】万全にはほど遠かった。それでもチームに勝ちをもたらした。エースの意地。ヤクルトの館山は痛めている右足を引きずりながらクラブハウスを出てきた。

  「先に点を取られたので、次の1点を与えないようにして投げました。2回以降はよかったですね」

 敗れれば自力優勝が消滅、12日以来となる最下位転落の可能性もあった大事な一戦。19日の広島戦(マツダ)前に入ったブルペンで右足首付近に違和感を覚えた館山だったが、その後はランニングを行わずに調整。「大丈夫です」と気丈に振る舞っていた。登板前日に必ず行う短距離ダッシュも回避。エアロバイクといった患部に負担がかからないメニューで急場をしのいで試合に臨んだ。

 初回こそ連打と暴投などで2失点も、最速151キロの直球を軸に尻上がりに調子を上げた。6回の打席では先頭打者として左翼線打。右足の痛みも忘れて二塁まで激走した。小川監督代行も「まさかあそこまで走るとは」と驚いたほど。続く青木の二直で帰塁した際に今度は右足甲を痛めた。一度マウンドに上がる意地を見せたが、右足を引きずりながら降板した。

 救援陣が踏ん張って1点差での逃げ切りに館山は「後ろの3人が抑えてくれて勝てたのが大きい」と笑った。24日に都内病院で検査を受ける予定だが「痛みはない」。4月30日の横浜戦(神宮)では右手薬指と小指にしびれを感じて、5月2日に出場選手登録を抹消されるなど、満身創いの状態でもエースは次回登板へ意欲を見せた。

 巨人戦連敗を4で止めた。借金15で苦しい戦いは続く中、館山のあきらめない姿勢は低迷するチームに力を与える。

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2010年6月24日のニュース