投げて、打ってマエケン!

[ 2010年3月26日 22:44 ]

 【広島3―1中日】重圧を力に変える勝負度胸は見事だった。広島は初めて開幕投手を任された21歳の前田健が8回4安打1失点で白星。打っても2安打で1打点。独特の緊張感が漂う一戦を独壇場にしてみせた。

 立ち上がりから切れのある直球を軸に、四回まで無安打。唯一のピンチは五回だった。1死から和田にソロ本塁打を浴び、続く井端には右前打された。だが、一気に崩れそうなところで変化球主体に切り替えて打者をかわし、後続を断った。
 打席でも存在感があった。2―0の四回2死一、三塁。「僕はいつも9番目の打者として打席に入っている」。吉見のスライダーをたたくと、打球は三遊間を抜けた。欲しかった追加点を、自らのバットでたたき出した。九回のマウンドこそ抑えの永川勝に譲ったが、周囲の期待に十分に応える働きだった。
 野村監督に初勝利をプレゼントし、前田健は「僕が初戦に投げて、勝てて光栄です」。指揮官から直接ウイニングボールを手渡されると満面の笑みで受け取り、満足そうに帰りのバスに乗り込んだ。

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2010年3月26日のニュース